雨模様の空、最後の梅の実を採った

 朝から雨模様の空でときどき傘もいらないほどの雨が降った。

 これくらいなら大丈夫と庭に出て、庭にある梅の木でいちばん老木でしかも大木の木からまだ残っている梅の実を収穫した。この梅の木にはほんとうにお世話になっている。たくさんの梅の実をほぼ毎年実らせ、おいしい梅酒、梅ジュース、梅干し、梅ジャムを提供してくれる。どんな友だちよりももしかしたらわたしにとって大切な存在かもしれない。

 わたしと同じように生きているのである。ただ、言葉を話さず、歩かず、体温がなく、洋服を着ないだけだ、いやもっと違いはあるが、生きていることに同じで、それでじゅうぶんである。

 生きているから死ぬこともあるだろう。そう思うとますます愛しくなってきた、老木の梅の木から今年の最後の実をとらしてもらった。まだ高いところに少し残っているがこれは残しておこう。

 収穫した梅の実の一部は梅干し用に塩漬けにした。残りは1キログラム余りあったので、近所の知人に持って行った。奥さんが出て来てうれしそうに受け取ってくれた。昨年はわが家の梅で梅酒と梅ジュースをつくり、おいしくいただいたと言った。そうか。この家に昨年も持って行ったのか。昨年の方が豊作だったので、きっと今年よりたくさんの人に配ったのだろう。

 朝方、友だちから昨夜わたしが送ったラインの返事が来ていた。できれば電話で話したいので都合のいい時間を知らせてくれるように返信した。

 梅に関することを終えた後は、17日締め切り(消印有効)の短歌大会に送る歌について考えた。5月、6月に詠った短歌からいくつかをピックアップし、どれがいいかを考えた。短歌を送る短歌大会は二か所あるので、どちらかは早めに送りたいと思ったが今日はどれにするか決められなかった。同じ日に送るのは負担が大きいので避けたいが、どうしよう。

 こんなそんなで昼食後も自分が詠った短歌と向き合う時間が続き、疲れが出てしまった。居間の隣の八畳間に布団を敷いて横になるとすぐ眠ってしまった。

 起きたのはスマホの着信音だ。ようやく取ることができ、出ると朝方ラインを送った相手からだった。時間を見ると4時半だ。そんなに長く話さずに電話を切った。再来週あたり会うかもしれない。ラインを開くと、2時半ごろ友だちからラインを送られてきて4時半ごろ電話をすると書いてあった。これに気づかなかったので、突然の電話のとうに思ったがそうではなかったようだ。