昨夜見た夢

 曇り空がひろがる寒い日曜日、夜は雨が降るかもしれない。

 一昨年あたりから夢の中に父や母が出るてくることがよくあり、昨夜も父や母が出てくる夢を見た。

 父が出てくる夢、母が出てくる夢は別の夢だった。父の夢は、父とわたしは家にいて父がわたしの部屋に入るのを見たので後からわたしも部屋に入った。父は立っていたがわたしを見ると部屋の奥にドカッと座った。座った父に対してわたしは抱きついたのである。ここで目が覚めた。

 母の夢はこれもわが家であるが、同じ敷地に住んでいた(家と土地を貸していた)植木屋さんの娘さんがわたしと弟にお年玉かお年賀としてお金を持ってきて、むき出しのお札をわたしに渡そうとする。わたしは恐縮して受け取らないがそこに母が来てにこやかな顔で受け取ってしまう。受け取った母はそのまま台所に姿を消すが、後姿が細く見えてわたしは心配する。母はたぶん受け取ったものより多くのお返しをするのだろうなとこころのなかでわたしが思う。ここで目が覚めた。

 二つの夢の印象としては、父の方はどこか父を頼りにしていて支えてほしいという気持ちがあるのかもしれないと思い、母の夢はわたしが母のことをずっと(死んだ後も)心配しているのかなと思った。夢の中の父は老いて衰えた晩年とは違って元気で堂々としていた。反対に母はにこやかな表情は元気なころそのままだが、後姿の細い肩は晩年食欲が衰えて少しづつやせていった母を心配して見ていた記憶と重なる。

 父や母がわたしを見守っているから、身の丈に合った、でもできる限りのことをしていこうと思わせてくれる夢だった。

 夢に出て来てくれたお礼と言うわけではないが、午後は近く菩提寺へ墓参に行った。花は母の命日(1月12日)に手向けた花が元気なのでそのままに、お線香を一束供えた。

 その帰り、コンビニに寄り、家に帰る途中、床屋さんの奥さんが店のドアを開けてわたしを呼び止めた。墓参に行くとき、床屋さんの前を通ったがそれを見て、後でまた通ったら声をかけようと思ったそうだ。最近、姿を見かけないので心配していたとのこと。わたしはわたしで、床屋さんの店先に「腕にけがをしたので休業します」の張り紙を見て心配していたと話した。「腕にけが」はいわゆる五十肩で腕が上がらなくなったそうだ。毎朝、整形外科医のところで注射をしてもらい、仕事をしているという。

 最近、隣近所の他の人に姿を見かけないのでどうしたのかと思ったと言われたが、そんなに家にこもっているわけではなく、かえって外出は前より多いが近所を歩くことが少なくなったのかもしれない。

 でも、姿を見かけない時間が長いと心配してくれるのはありがたいことと思った。