昨夜はあまり眠れなかった

 昨夜は1時間くらい眠ったと思ったら目が覚め、3時間くらい眠れなくなった。しかたなくパソコンをいじったり、図書館から借りて来た本を読んだ。

 『角川現代短歌集成 1生活詠』というテーマごとにたくさんの歌人の短歌を紹介したアンソロジーの歌集である。生活詠の中に生老病死が含まれ、真夜中に読むには重たい短歌ではある。読んだ短歌が原因となったわけではないが2日後に命日を迎える老犬ももこのことを思い出し、涙を流した。

 4時過ぎにやっと眠れ、目が覚めたのは7時過ぎ。睡眠不足はあきらかだが起きることにした。

 午前中、用件があるのだが返信が来ない友だちへのラインに重ねてラインを送った。するとこんどはすぐ返ってきた。ばたばたしていて申し訳ないとの文面。用件については後で電話をするとのこと。

 午前中は昨夜読んだ角川現代短歌集成を引き続き読んだ。生活詠のくくりで、生老病死という重めのテーマだけでなく、街、電車、旅、電話・冷蔵庫などの電気製品、野菜、サラリーマンなど生活全般の多彩なテーマがある。興味のあるものから拾い読みをした。わたしの好きな永井陽子さんの短歌もいくつか掲載されていた。

 例えば「電車」というくくりで、

 

凶暴な電車の内に一行の詩を帯びて身は尖りゆくなり  永井陽子『樟の木のうた』

 

 「街」というくくりでは

わが影をしたがへ冬の街に来ぬ 小さなヴァイオリンが欲しくて 永井陽子『小さなヴァイオリンが欲しくて』

 

この街に楽しき日日のありしこと触れて語らむすずかけの木よ 永井陽子『てまり唄』

 

 永井陽子さんの全歌集を読んでいるのでほとんど歌は記憶にあり、あの歌が掲載されていると思わぬ選歌に新鮮さを感じた。

 本を読みながら自分の短歌をいくつかつくった。まだ夕方にもなっていないが夜のことを考える。今日は良き眠りが訪れるといいのだが。

 

 返信の来ぬスマートフォンなど捨て置ひて読みたき本を一冊選ぶ

 

こぼれたる種子より花壇に咲き群れるキバナコスモス野趣の風ふく