東京は初雪、武蔵小杉の歌会へ

 早朝は曇りだったがいつの間にか小雨が降り始め、寒い朝だった。

 午後から武蔵小杉で歌会があるので、午前中は炬燵に入って、皆さんの詠草15首を丹念に読み、気になるところを添削した。人様の短歌を添削するのはとても勉強になる。頭の中を言葉が目まぐるしく行き交うのがわかるほどで、頭の回転力を高め、インスピレーションを引き出す体操にもなる。

 かんたんな昼食を食べ、いつものようにバスに乗って武蔵小杉に行った。朝より少し強めの小雨だった。

 中原市民館の2階に予約した会議室は今までのなかで一番広い部屋で、定員35名の部屋を5人で使った。三人掛けの長テーブルをひとりで使った。8人のメンバーだが1人はコロナと関係ない理由で欠席、あとのふたりはコロナを警戒しての欠席である。

 18首の短歌をひとつづつ、全員でああでもないこうでもないと言い合う。なかには何の訂正も、何の疑問もなく、これでいい(添削なし)という短歌もある。全員でいじり合い、かなりいい短歌に生まれかわるものもある。この場でみんなと意見交換をするのもすばらしい頭の体操になる。

 4時頃に歌会は終わり、5人のうち2名はそのまま帰り、わたしをふくめ3名でいつもの店に入った。3組ほどの先客がいるががらんとした店内。奥のあたたかい席を歌友がリクエストした。

 4名席に案内された。通路を隔てた同じ大きさのテーブルに若いふたりがマスクなしで食事と会話を楽しんでいる。緊急事態宣言が出ているのに何ごとかと思う人もいるかもしれないが、両人が感染していなければ大丈夫なので、二人の責任で楽しむのはいいと思う。たぶん、二人はお互いがいつも気を付けているので大丈夫と信頼しあっているのだろう。

 わたしたちのうちふたりはマスクを付けて、珈琲を飲む時だけはずした。ひとりは夕食を頼み、食べている時はもちろん、食べ終わってからもマスクはしなかった。 

 わたしたちの歌会のことを話しあったが、この先どうなるか見通しがつかない。8名の小さな歌会だが、新たな先生を迎えるかどうかで仲たがいがあり、一方を立てれば一方は立たずという状態になっている。その一方が今休会中でなんとなくうまく行っているが、その人の出方でひと波乱が起きるやもしれず・・・・。

 ただ、わたしはどちらの味方でもない。

 この会がどうなるかわからないが、自分がこのようにありたいと思っている短歌を楽しみながらめざすだけである。

 

冬の陽のそそぐ河原に草をはむポニーを見たり少年もいて

 

桃の木は枯れたる後も庭に立ちひよどりが好む止まり木となれり

 

夢は夢君は知らねどわがうちに種子より育ちし花咲き続く

 

少年の手の綱のさき冬の陽のそそぐ河原にポニーが草食む