家でのんびり歌集を読む

 秋の陽射しが注ぐ一日。午後は雲が多くなり、夕方はすっかり曇っている。

 コンビニに買い物に行き、短い散歩をしただけであとは家で過ごした。

 庭に出て、少し前に切った紫陽花の枝を折って束ねたり、隣家との境近くに繁る草を抜いたりもした。

 オカメ桜の樹の近くに植えた椿のつぼみがいくつくらいあるかを見に行くと、葉っぱに毛虫が蠢いているのが目に入った。あわてて殺虫剤を家に取りに行き、吹きかけた。やや大きめになった毛虫がぽろぽろと葉っぱから落ちた。

 他の椿の木を見て回ると、葉が食われた跡がどの木にもあった。注意深く葉っぱや枝を見て、毛虫を発見すると殺虫剤をふりかけた。

 もう少し早く、毛虫がまだ小さいうちに見つけることができたらよかった。

 家のなかでは三つの部屋と広縁、台所、二か所の廊下に掃除機をかけた。掃除をするのは1週間ぶりだ。

 きれいになった部屋で昨日借りてきた石川不二子さんの歌集『鳩子』を読んだ。昨日のブログに石川さんの命日が9月と書いたが、実際は今年の6月だった。

 農家での暮らしがベースになった短歌はわたしの生活とはかけ離れているが、すつと心に入ってくる歌が多い。

 

 ポップコーンがはじけるやうに白梅の花すこし増ゆ今日も曇り日  

                         

 クレソンのまるき群落日あたりて水ゆたかなり春近しとや

 

 

              石川不二子『鳩子』              

 

同時並行的に俵万智さんの歌集『かぜのてのひら』も読んだ。こちらも同じくらいこころにすつと入ってくる。

 

 心散るならば満開の木の下でそっと言われたかったさよなら

 

 二時間の電話も寂し惚れるんじゃなくて惚れさせてよ男なら

 

             俵万智『かぜのてのひら』

 

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秋海棠はいま花盛り

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濃い桃色の百日草、涼しくなって色が濃く深くなった

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朝の散歩のとき会ったつがいの軽鴨