秋晴れの空がきれいだから、でかけたくなった。
横浜トリエンナーレのチケットを買ったとき、本会場以外の場所で展示されている作品を観ることができるプラスアルファのチケットを買ったことを思い出した。
本会場がメインのチケットは2000円だが、プラスアルファは2800円。せっかくなので展示会場を訪ねることにした。
みなとみらい線・馬車道駅から歩いて5分ほどの日本郵船歴史博物館にマリアンヌ・ファーミという出品作家の作品が展示されている。
馬車道駅を降りて、信号待ちの女性に道を聞いた。わたしに教えてくれている間に信号が変わってしまい、申し訳ないことをした。
海岸通り4丁目の信号を右に曲がって真っすぐ行ったところにある。
日本郵便歴史博物館の歴史を感じさせる建物の中に入り、プリントしたチケットを出して会場へ。
展示した作品は水をイメージした半透明のオブジェだ。写真をスマートフォンで撮ったのだがアップロードできない。多分、容量が大き過ぎるのにちがいない。
馬車道駅から歩いてたくさんの写真を撮ったが一枚もアップロードできず、がっかり。
いくつもの半透明のオブジェは波のかたちのようでもある。アールデコ様式の趣のある会場に広がりを見せて設置され、不思議な共鳴を漂わせている。
展示作品以外にもさまざまな客船の模型や、豪華客船のに使われた食器やインテリアなどの展示を鑑賞した。太平洋戦争で客船が軍に供出され、軍艦に改造されたことを初めて知った。
日本郵船歴史博物館を後にして、赤レンガ倉庫方面へ歩いた。
横浜港が目の前に広がる広場に出た。対岸には大桟橋が眺められる。広場からは赤
煉瓦倉庫まで歩いて行ける。
秋空に白い雲がきれいな模様を描いている。このような大きな空を眺めたのは久しぶり。潮風がここちよい。いつまでも風に吹かれていたい、そんな風だ。
広い広いところに人は平日にしては多いのだが、まったく多さを感じさせない。潮風が人と人の間の広い空間を吹き抜けている。
こんなに密集とは程遠いところでも、ほとんどの人がマスクをしている。マスクをしていないのは犬の散歩をしている地元の人くらい。
赤煉瓦倉庫まで歩き、ぐるりと回ってUターンした。途中、御影石の階段に座ってスマホでライン短歌を自分宛てに送った。鴎が飛ぶのを眺めながら10首ほどを。波に揺れる船着き場の音が印象に残った。
きれいな空の写真を何枚も撮ったがアップロードできないのでとても残念だ。
帰りは行きと同じ道をたどり、馬車道駅前のビル内にあるカフェで珈琲を飲んだ。
ここでもライン短歌を数首ほど自分宛てに送った。
ひとつの嘘明らかとなりひび入る秋の空薄き雲美しき
わが犬に海を見せむと車にて大桟橋を訪れしかな
あのときは大桟橋を独りにて眺める未来思わざりしよ
波に揺るる船着き場の音 潮風を味方に鴎が飛べる
第四話で終わらむとする物語君の演技に続きはなくて
もし君がこの物語最後まで演じきらばと空しく思ふ