コ―トールド美術館展を観に行く

  台風19号はまだ遠い海上だがテレビで早めの警戒を呼びかけている。落ち着かない気持ちになり、朝早い時間にこの前の台風15号の風で傾いた庭木を見に行った。

 ベニカナメが二本と、木槿が1本。木槿は枝が伸び葉が繁っているので思いきり枝を払った。太めの枝を切り、かなりすっきりとさせた。風の抵抗が少なくなり、倒れることはないだろう。ベニカナメは切る時間がなくなり、明日にすることに。

 急いで特別支援学校に行き、校内のカフェで珈琲を飲み、知人友人と談笑した。11時からはその友人と校内の陶芸班の部屋で、この前(9月末)粘土をこねて作った植木鉢を素焼きしたものに色づけした。

 植木鉢は3つ作ったのでそこから友人とわたしが各一つ選んだ。友だちは最初の粘土から成型するときに休んだので三つともわたしがつくったもの。

 釉薬は瑠璃色と、黒、緑、オフホワイトの4種類。友人は瑠璃色一色で色付けし、わたしは瑠璃色と黒を組みわせた。

 12時までで色付けを終わり、家に帰り昼食を食べ、午後は上野公園にでかけた。

 「コートールド美術館展」が上野公園内にある東京都美術館で開催している。12月半ばまで開催しているが早めに見に行こうと思った。.

 コートールドはイギリスの実業家の名前。レーヨンの事業で莫大な利益をあげ、印象派やポスト印象派の作品を購入し、そのコレクションをもとにイギリスに美術館が作られた。その美術館が改装中とのことで作品の一部が日本で鑑賞できるようになったようだ。

 思ったより観客が少なく、まったくストレスを感じることなく作品を鑑賞できた。

 いちばん印象に残ったのはポール・セザンヌの作品。セザンヌの手紙も陳列され、絵画に対する考え方が述べられている。セザンヌのことばは絵画だけでなく、あらゆる芸術、特に短歌にも当てはまると思った。

 「個性的な感動、観察、性格をもっと作品に取り込むほうがいいのです」

 「進歩を実現するためには自然しかありません。自然との接触によって眼は鍛えられます」ポール・セザンヌ

 「大きな松のあるサント=ヴィクトワール山」や「ノルマンディーの農場、夏」「カード遊びをする人々」「鉢植えの花と果物」「キューピッドの石膏像のある静物」など、見応えのある絵画があり、セザンヌだけは一回見てもう一回戻ってきて観た。

 ほかにポール・ゴーガンもよかった。ゴッホの絵は一枚だけあった。桃の花が咲く農村の光景を描いたもの。

 展示会場の最後の作品はエドァ―ル・マネの「フォリー=ベルジェールのバー」。カウンターに立ち真真正面を向くバーの女性を中心に描き、背後の大きな鏡に映るバーに集うおおぜいの人が荒いタッチで描かれている。鏡には女性の後ろ姿と女性に話しかける男性も映っている。おおぜいのひとがいるバーだがこの女性の孤独が際立つようにも見える。

 

長き脚わが眼の前を二段づつ階段上れりその身の軽さ