早朝は雲一つない快晴。気持ちのいい風が吹き、こんな日に梅の土用干しをしたいと思った。
だが今日は午前中をのぞき一日予定があり、梅を干すのはもう少しお預け。
午後から東急線・武蔵小杉駅前のビル内で歌会が開かれるので、少し早く着くようにでかけた。肺炎で入院され1週間前に退院された先生から歌会のまとめ役宛てに手紙が届くという話を聞いたので、その内容を知りたいと思ったからだ。
ところが手紙はなかったとのこと。ただ、先生と数十年来、短歌の子弟関係にある人に手紙があり、8月いっぱいは休みたいとの内容だったと聞いたのは歌会が終わった後のことだ。
歌会は先生がいらっしゃらないので、歌の良し悪しを最終的に判断する人がなく、物足りないものだった。みんなでああでないこうでないと言い合うのも楽しいといえば楽しいが、わたしがこの歌会に来る目的はそのためではない。
先生がいらっしゃらないことがそれほど物足りないと思わない人もいるようで、かえってあまり厳しいことを言われず和気あいあいとした歌会のほうがいいという気持ちの人もいることを感じ、皆さんとの温度差を痛感した。
歌会の後、仲間のひとりのご主人がひと月以上前に亡くなられたことを本人から告げられ、一同驚いた。入院して手術をするというところまでは話しを聞いていたがその後は誰も知らず、今日、告げられたのだ。
歌会後、いつもは珈琲などを飲みみなさんと談笑する時間を楽しむがわたしは友だちと会う予定があるのでみんなと別れた。
みなとみらい線に乗り、横浜のひとつか二つ先のみなとみらい駅で降り、横浜美術館の正面入り口近くで友だちと落ち合った。
夕食を食べる場所を探すためにランドマークタワー方向に歩き、さらに日本丸が停泊している先へと歩いた。あるビルに入るが気に入った店がなく、運河そいに建つ赤レンガ倉庫のほうへ。
その途中の一角にレストランとブティックなどが集まるところがあり、2階にイタリアレストランがあった。横浜港を眺められるテラス席に座り。前采とパスタを注文した。アルコールは友だちが飲まないのでわたしも控えた。
前菜は近海の魚のカルパッチョ、蛸とじゃがいもとオリーブの実をあえたもの。パスタは豚肉入りの平たいうどんのようなパスタと、パンチェッタとズッキーニ、パプリカなどの細めのパスタ。
スパイスがほどよく利いていい味だが、パスタは塩味が濃かった。いつも家でいかに薄味に料理してるかがわかった。
食事を終え、赤レンガ倉庫まで歩き、中を見て回った。3階まであり、天井が低く、マーケットのようなごちゃごちゃ感がある。にぎわっていて、港を臨むレストランとは違った雰囲気が楽しめた。
みなとみらい駅までの帰りは強い雨の中を歩いた。友だちは傘を持ってきていなかったので、ひとつ傘を二人で使い、どちらもかなり濡れた。
友だちは浜松に住んでいてそんなに頻繁には会えない。大学時代の友だちだがこの十五年くらいは3~4年に一回くらい会っている。その前は何十年も会っていなかった。手紙や年賀状のやりとりだけだった。最近は昨年会い、今年も会い、頻繁に会っているほう。
心根の優しい友だちに久しぶりに会えて、うれしかった。この何年か他の友だちとの間に行き違いがよくおこり、少なからず傷ついたがほっとするような時間を持てた、ありがとう。