ふたたび横浜トリエンナーレ

  

 今月の11日まで横浜美術館で開催中の横浜トリエンナーレ。8月に一度鑑賞しているがもう一度行きたいと思い、昨日行ってきた。

 横浜を訪れたのはこの展示会だけでなく、もう一つ目的があった。

 一昨日満月となり、昨日もほぼ満月に近かった月の出を、横浜港の北東方向に突き出ている、大桟橋から眺めたかったのだ。

 昨日の金曜日は横浜トリエンナーレの展示時間の終わりが6時から延長になり、9時まで見られるので、まず大桟橋に向かった。

 東急線と直結しているみなとみらい線の○○○○駅で降り、歩いて5分ほどだ。

 駅から海に向かって歩くと、昔、車で通ったり、歩いたりした見覚えのある道路や交差点が現れた。最後に大桟橋に来たのは柴犬レオと、たぶん14年前くらいだ。海を一度も見たことがないレオに横浜港も海の一部と思い、見せに行った。あのときすでに中高年だったレオは車であんなところまで連れていかれ迷惑だったのではないかと今では思う。

 大桟橋の小高くなっているウッドデッキの丘を上る。見渡すと,ほぼ360度海である。

 東側にはレインボーブリッジが眺められる。西側にはランドマークタワーをはじめホテル群など高層のビルが建ち、カラフルに色を変える観覧車も回っている。

 5時少し過ぎ。まだ夕暮れの大桟橋ウッドデッキでは結婚式が行われていた。海風が吹いてウェディングドレスでは肌寒いが写真撮影がすむと、短めのジャケットをはおってしのいでいる。

 時間が進み、辺りが暗くなるとみなとみらいのビル群の夜景がすばらしい。大桟橋とビル群との間に横浜港がひろがり、風景を非日常の美までに高めている。

 広い広いウッドデッキの丘にはカップルや独りで来た人、友だちと来た人、様々な人々が思い思いに時間を過ごしている。人が多いといえば多いが、まったく密ではなく、のびのびゆったりとここにいられる。

 大桟橋のいちばん先端部分に三脚を置き、カメラを構えている男性5~6名がいる。その脇にスーツ姿の若い女性が望遠レンズを取り付けたカメラを持ってレインボーブリッジの方向を見ている。 

 ふと見るとレインボーブリッジの中ほど、橋の上に赤い月が・・・・・・・。

 女性は盛んにシャッターを切る。赤い満月はいちど丸い姿を見せたが雲に徐々に隠れてゆき、すっかり姿が見えなくなった。

 その女性に声をかけて撮影した写真を見せてもらった。レインボーブリッジの橋の上に乗っかるように、やや楕円形の赤い月が写っている。月が出たばかりで、橋の上に上る前の、港の何かの建物の上に出た赤い月の写真も見せてもらった。

 肉眼で見ると雲が周囲にありそれほど鮮明ではない月が映像となるとこれほど鮮明になるのかと感動。

 その女性は日本語の堪能な中国人でweiboに写真をアップロードしているとのことなので、ウェブ上の名前を教えてもらった。わりと近くに住んでいて自転車で大桟橋まで来たようだ。

 

 思いがけなく大桟橋で素敵な女性カメラマンに会ってしまい、時間が想定以上にたってしまった。急いでみなとみらい線に乗り、みなとみらい駅で降りて、横浜美術館へ。

入館する前にお腹が空いたので軽く夕食を食べたので、入館したのは7時半だった。

 館内はこの前来た時より人がいっそう少なくて、実にゆったりと鑑賞できた。だが9時閉館なので時間が限らている。

 この前見られなかった映像をいくつか見た。精神病患者を家族の中に持つ家族が病んでいる人の世界をそのまま演じるという映像だ。患者の若い女性は自分が天使だと思っている。人に幸せを分け与える天使だが、そのことで自分自身は不幸になる、そういう種族の天使だと思っている。女性は天使のコスチュームを身に着け、家族はそれぞれ女性の想像世界に生きるキャラクターを着ぐるみや表現する。

 女性のこころの世界がそのまま現実の世界になってしまうわけだ。天使のコスチュームに身を包んだ女性の、不思議なたたずまいが印象に残った。自分がそうだと思っている天使になったのだがどこかそれにさえとまどっているような・・・・・・・。

 

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大桟橋から眺める夕ぐれのみなとみらい地区

 

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大桟橋のデッキの上では結婚式が開かれていた

 

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手前が大桟橋のデッキ、港をはさんでみなとみらいの高層ビル群が・・・・・

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横浜美術館、建物が薄い布のようなものでおおわれているがこれも参加作品のひとつ

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エントランスの展示物