鳥たちが桃の実を喰いあらす

 雲が多い空だがお昼頃から陽射しが出た。やっと洗濯ものをする気になれた。

 七月も八日になり、今週末から東京ではお盆がはじまる。

 お盆は切ない思い出がいっぱいで、近づいてくると胸が苦しくなるような感じがある。

 父母と愛犬の仏壇は年に二回きれいにすることにしている。

 まず、二匹の犬の遺骨を安置している、わたしの部屋の仏壇をきれいにした。使っていないオーディオボードの上に敷物を敷き、その上に遺骨や遺影やそのほかの写真、首輪やぬいぐるみなどが並べてある。そのすべてのほこりを払い、いちど床に下ろして敷物を換えた。

 柴犬レオの遺骨を抱き抱え、家の中の部屋をぜんぶ歩いて回り、庭を見せながら話しかけた。6年の歳月で変わっているところと変わっていないところがある。老犬ももこの遺骨も同じようにした。父母の仏壇の前で、生前のももこがお線香をあげるわたしに近づいてきて何をしているの?と問いたげだったこと。ももこを膝の上にのせていっしょに手をあわせたことなどをももこに語りかけた。

 こんなことをしたからだろうか。気持ちが変になりそうなほど寂しくなった。ももこが春の庭に咲く花の匂いを嗅いでいる写真があり、陽射しを浴びているももこを見てもう陽にあたることがないのだと思ったら、無性に悲しくなった。

 疲れているから悲しみや寂しさが強くなったのかもしれない。

 昼食後、自室の畳にごろんとしたら、いつのまにか眠ってしまった。そんなに長い時間ではないが。

 起きて昨夜下ごしらえをしたすももの実を煮てジャムを作った。いつものレシピを少し変えて、黒糖で作ったきび砂糖を量は少しだが加えた。濃く澄んだ赤色のとてもきれいな色に仕上がった。

 目高の餌やりに庭に出ると、友だちが犬といっしょにやってきた。鳥に喰い荒らされた桃の実が散らかっているのを拾いながら、人間の食べごろになる前に鳥が食べてしまうと友だちに愚痴った。

 友だちは桃を少しほしいと言った。砂糖煮を作り,寒天で固めてみたいと。まだ早いかなと思ったが2つもいであげた。鳥たちが食べるのなら十分甘味があるはずと友は言った。

 そのことばに促され自宅用に3つ桃を捥いでみた。このままやわらかくなるのを待っていると、鳥に食べ尽くされると思ったから。

 午前中から続いていた寂しい気持ちは友だちとその愛犬がやわらげてくれた。ありがとう。

 

実の見えぬすももの木にひよが来て首を動かすしぐさの必死

昨日まで残りたる実を期待してすももの木に来るひよを哀れむ

もう1本のすももの木に移るひよ すぐあきらめてつがひが木を去る

 

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自宅用に捥いだ桃

 

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家に来た友だちもすごいねと感嘆した鉄砲百合

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梅雨に咲くのが定めなの?

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鳥に齧られた桃が木にある、たぶんヒヨドリの仕業

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エキナセアの花は今が盛り

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花壇に植えた百日草にもつぼみが出てきた、どんな色の花が咲くのか楽しみ