朝は5時前に目が覚め、外に出ると早朝の空がきれいだった。
空をデジカメで撮ろうと、家に戻りカメラを手に再度外に行くと写真に撮りたいと思った雲がなくなっていた。どこかに移動したか消えてしまったか。1分もたたなかったのに。
午前中は近くの特別支援学校に行き、校内のカフェでハーブティーを楽しんだ。知人友人と話も楽しんだ。知人のひとりが西行の足跡のひとつ、大磯の近くにある鴫立沢(しぎたつさわ)について自分で書いたものをコピーして持ってきてくれた。
もう一人の知人が、賞をとったわたしの短歌を読んでみたいと言ってくれた。
このことばを受けて、いままで参加した歌会で入選したり、選外佳作に選ばれたりした歌をピックアップしてみた。
2013年7月から短歌をはじめ、選外佳作にはじめて選ばれたのが2015年6月。老犬ももこがこの家に来てから3か月たった頃だ。
ももこがこの家にいた1年5ヶ月あまりの間に、選外佳作、入選をふくめて5首の短歌が選ばれている。ももことの生活から生まれ、ももこと二人三脚で作った歌である。
その5首の中でいちばん好きな歌。
桃の木に2月の雨がしずくしてふくらむつぼみきらめかせおり
この歌はわたしが今まで詠った歌の中でも一番好きな歌のひとつ。2月の雨の日に洋室の窓から庭を眺めた時の桃の木を詠った。老犬ももことわたしは暖房のきいた掘り炬燵のある居間にいて、雨で家の中に閉じ込められたような気持ちになったわたしはせめて庭の様子でも眺めたくなった。
雨のしずくがキラキラと光っていたのをおぼえている。これから来る春への期待があったと思う。ももこの腎不全が悪化することを知る由もなく。
選ばれた歌は今まで作った歌の一部にしろ、時系列で並べて見るとわたしの生活の変遷が凝縮されているように思えた。
目だし帽脱ぐかのごとく薄皮の中なるつぼみアガパンサス見す