短歌を知らないという少女に

朝の冷え込みはそれほど強くなかった。居間の室温が6時半ごろで10℃だった。

夕方もエアコンはオフである。掘り炬燵はあるが。

空気が冷えてきたのでエアコンをそろそろ入れたほうがよさそうだ。

 午前中、近所の特別支援学校のなかにあるカフェに行った。

 ここに集まる知人友人に見せたいと思い、明治神宮献詠会で預選に選ばれた歌の記念に送っていただいた、墨筆で明治天皇陛下の短歌を描いた色紙を持って行った。

 みなさんが手に取って見ていると、実習授業としてカフェで接客を行っている生徒さんが興味を示した。なんでこの色紙をもらうことができたのか、という疑問から話が始まり、短歌を詠んでこの歌が受賞した記念にいただいたと話すと、短歌を知らなかったらしいとわかった。

 俳句は知っているが短歌は・・・・・・というリアクションだったので、知人のひとりが自分の著書を出して、西行法師の歌が書かれている下りを示して、これが短歌というものと説明。

 俳句は五七五で作られ、短歌は五七五七七で作られると。

 紙に西行の歌と、西行を敬っていた芭蕉の句を書いて生徒さんに渡してあげた。

 年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけり小夜の中山 (西行法師)

 

 馬に寝て残夢月遠し茶のけぶり  〈松尾芭蕉

 

 

 このやりとりを見ながら、短歌を知らない人に短歌とはどういうものか説明するむずかしさを思った。だがこの生徒さんが興味を抱いてくれたので、短歌についてもう少しどういうものか伝えることができたら、とも思った。

 というわけでこの生徒さんに短歌をもう少しわかってもらえるために、万葉の時代から現代にいたるまで、なるべくわかりやすく、しかもこれが短歌だといえる歌をピックアップしたものを作ることに。

 持統天皇から俵万智までをピックアップした。石川啄木若山牧水も入れた。西行法師の歌も1首は入れたいがわかりやすい歌という条件が付くと選ぶのがむずかしい。

 

 短歌とふもの知らざりし少女に西行の歌で伝えつ友は