半夏生の花が咲いた

 今朝は久しぶりに散歩に行った。以前は犬友だちとほぼ毎日歩いていたが最近は気が向いた時しか歩かない。コンビニの買い物ついでということもあり川沿いに上流へと歩き、大学の敷地内にある遊歩道を通り抜けた引き返した。今朝の散歩コースは老犬ももこと一度だけ歩いた道で、ももこなしに何十回となく歩いている。このコースを歩くとももこを思い出さないことはない。
 昨日の疲れを引きずって今日も買い物以外は家で過ごした。庭の植木鉢に水やりをしたり、陽があたるところに移動したりなどはした。
 夕方近くになり、川べりに咲く半夏生を見に近くの川に運んだ。この川のあちこちに半夏生の群れがあるがここがいちばんきれいに花が咲き、緑色の葉が美しい白に色変わりする。
 緑色と白はわたしの好きな配色で、半夏生はその色の混じり具合がすばらしい。緑色の色合いも明るく軽やかでいかにも水辺の植物という感じがする。
 風に吹かれそよぐ半夏生はまた風情があってしばらく眺めていた。
 半夏生の葉が白く化粧する頃、柴犬レオは急速に衰えていった。2013年。あの年もわたしはよく川べりの半夏生を見に行った。レオが他界する前日も見に行き、携帯で写真を撮った。レオが死んでからなぜレオの写真を撮らなかったのだろうと思った。
 昨年の老犬ももこはこの時期、腎臓病がどんどん悪くなっていくときで、ももこがレオと同じように6月に死ぬのではないかと密かに危惧していた。夏至まで生きていないのではないかと。ももこは6月は生き延びてくれたが先はそう長くなかった。


白穂花を目立たせむと水無月半夏生の葉白く染まる

川べりの半夏生の草むらは白と緑の葉すがすがし

昨晩のストロベリームーンとは小顔の満月をいふらし

東(ひんがし)の空に出でたる満月のこぶりな顔におやっと思へリ

この時期に忘れることなく葉を染める半夏生の白と緑よ

わが犬の末期に咲くや緑の葉白く染めたる半夏生

緑の葉白くなりけるその頃にわが犬逝きき半夏生





鉄砲百合の一本が花の重さで倒れていたので切り花にした