午前中、まだ陽射しが強くならない時間に庭の通路の草むしりをした。土が踏み固められているので地面をはうような小草が多く、手で引くことがむずかしい。スコップでこそげ取るようにした。
地面の浅いところを根を伸ばしてひろがる厄介な草は土もいっしょにとった。草取りをしながら老犬ももこがいた昨年の夏のことを思い出していた。ももこの看病に時間をとられ草取りをしなかった庭の通路は草がギッシリと生え、背の高い草もところどころにあり、見苦しい状態になっていた。
往診の獣医師を頼むようになってから見苦しい通路が気になり、時間をつくって草むしりをした。ももこがいた夏の思い出としてわたしの胸に刻まれているがあのようなときに少しでもきれいにという気持ちが働いた自分を不思議に思う。
通路の一部の草を残して草取りをすませた。なんだか疲れたので。家に入り、水を飲んだりしていると横になりたくなり、自室にまだ敷いたままになっている布団に横たわった。1時間半ほど。少し眠ったかもしれない。
お昼前に起きて昼食を食べ、午後は陽射しが強いので家の中で休んだ。太陽が上空にあると庭木の剪定のとき光が目に入りやりにくいことがある。日が傾き始めたころが庭仕事をしやすい。
夕方近くになり、最後の1本となった乙女椿の剪定をはじめた。脚立に上っても樹の半ばくらいまでした届かないので、上のほうは高枝鋏を使った。この庭でいちばん樹高の高い椿である。
気がつけば庭の若葉が木もれ日をこの広縁に連れてきたり
こもれ日は昨年(きぞ)も今年も変わらぬに老犬ももこの姿は見へず
ちらちらと葉のあわひから日がこぼれ廊下いちめん揺れ動きたり
突然の病ひ検査であきらかとなりたる友の気持ちを思ふ
父が挿し木で増やしたと思われるツツジ
アグロステンマの花
一昨年、近くの花好きの女性からいただいた
ももこと同じ年にこの庭の花となったのでももこの思い出と重なる