今日は明治神宮月次歌会、当座は「鏡」

 朝から雨が降り気温が上がらない。最近外出する日が雨になる日が多く、ちょっとがっかり。
 最寄りの私鉄沿線の駅まで15分ほど、JR原宿駅から明治神宮社務所まで15分ほど歩いた。
 今日の講師の方は栗木京子さんで、テレビに出演されていることもあるのか雨なのに大勢の方が集まった。秋田県宮城県からから来られた方もいらした。わたしがこの歌会に参加するようになってから、こんな遠方から訪れる方がいるのは初めてかもしれない。
 今回の歌会の当座は「鏡」。いい歌がたくさんあったがわたしのはあまりぱっとしない。
 老犬ももこのことを歌にしたが表現力が未熟で先生は歌に詠まれた光景をイメージできなかった。がっかり。犬のことを歌った歌が詠み手に伝わらないのがいちばん堪える。老犬ももこや柴犬レオのことを歌った歌が相手に理解されると(他のことを歌った歌より)何倍もうれしいのだが。

 詠った歌は

 わが犬は鏡に向かふわれを見てでかけると察し顔くもらせり

 先生はまったく反対に解釈した。いっしょにももこと外にでかけるためにわたしが鏡に向かって化粧をしたり身だしなみと整えていると。外に行くのをふつう犬は喜ぶのに変わった犬・・・・・・と言いかけて、わたしが詠いたかった内容に気づかれた。
 鏡に向かっていることはももこを家に置いてでかけるというメッセージみたいなもので、ももこはこのことを敏感に感じ取っていた。がっかりしたような表情を見せたものである。
 「顔をくもらす」は犬に対して適切な言い方ではないと言われた。「うなだれる」のほうがいいと。「くもらせり」は文法的におかしく「くもらせる」が正しいとのこと。

 わが犬は鏡に向かふわれを見て出かけると察し顔うなだれる

 帰りもまだ雨が降り続き、落胆したこころに冷たさが沁みいるようだ。
 今日はももこの月命日なのでこんな歌を家で詠んだ

 わが犬の月命日に雨が降る三月のすえ桜かじかむ
 降る雨はどこかで泣けるわが犬の涙と思へり月命日
 悲しめるわがこころに添いくれし犬の姿なく雨だけが降る