川べりの染井吉野は開いた花がふたつほど

 薄い雲が青空を被膜のようにおおっているが昨日よりは陽射しが注いだ。薄い白い雲に青空が透けて見えて春らしい空模様ともいえる。
 朝はいつものように老犬ももこが縁で知り合った犬友だちとその犬と散歩した。いつものところで別れてその足で近くのお寺に行き、花立の水を替えたり、お線香を手向けた。1週間くらい行かなかったが花はまだ元気だった。他のお墓の花もまだきれいで春分の名残が漂っている。
 家に帰り、買い物をしたり、庭に出て昨日に続いてちょこちょこに庭仕事をして過ごした。
 お昼前の買い物は土曜だけ開く店に行った。この店で野菜も魚介類もお米もパンも買える。本業は卸売りなので売れるものは何でも仕入れてくるようだ。
 また近所のコンビニがリニューアルオープンしたので今日だけで2回も足を運んだ。一回の買い物で100円割引するという開店サービスが目当て。同じものを買うなら少しでも得したいという気持ちが強い。安いけれど品質に問題があるのは嫌だが。
 たいしたことをしていないのに街を歩き回った一日だった。
 夕方は朝散歩した犬友だちと偶然、家の前で会ったのでまたいっしょに歩いた。家に帰り別のコンビに行き、払い込みをしてその帰り近くの川沿いの桜をチェックするとピンク色のつぼみがすぐ開きそうな枝が何本もあった。ただ、開いた花は2本の木に3つしかなかった。明日は雨の予報で気温が下がるとのことだが、開きかけているつぼみはどうなるのだろう。

 どのかたちにもそふやさしさ持ちをれど水は時に鬼にもなれる
 時雨過ぎフロントガラスの水玉のひとつひとつに空が映れり
 彼岸過ぎ墓地には花が鮮やかに参れる人のぬくみただよふ
 花立の水を注げば花の命あと幾日か生き長ろふ
 花残し墓地を去りし人々の影がひそかに行き来してをり

 リニューアルのコンビニへ二度も行くささいな得に動かされて