春分の日に鷺草の植え替えをした

 朝から晴れてお昼過ぎまで陽射しが出ていたがいつのまにか雲が出てきた。明日は天気が崩れるとの予報である。
 今日は春分の日なので朝早めの時間に近くの菩提寺に行き、お線香を手向けてきた。住職が寺の一画に植えたアガパンサスの枯れた葉を取り除いていた。その横に芍薬の赤い芽が伸び始めているのを見て、父が鉢に植えた芍薬のことを住職に話した。芍薬の植え替えのことなど少し話した。植え替えて花がたくさん咲くと父が喜ぶというようなことを住職が言ったので笑顔になれた。
 家に帰り少したつと外階段とベランダの修理などを頼んだ人(植木屋でもある)が来て、さび止めを塗るなどの作業をはじめた。
 春分の日なので10時にお茶とぼた餅を出してひと息入れてもらった。親子で仕事をしていて父がいた頃から頼んでいる人だが親のほうがあまり調子が良くないようだ。膝が痛いのかかばうように歩いている。昔から植木の剪定や家まわりの修理などを頼んでいるので、気心が知れているところがいいのだがわたしより少し年齢が上なのであちこち故障がでてくるのはしかたない。
 午後は毎年この時期にやっている鷺草の植え替えをした。水苔の中に植えこんだまま冬越しした小さな球根を取り出し、新しい赤土と水苔で植え替えるのである。5つの鉢に植えたがそのうち2つはあまり球根が増えていなく、残りの3つは球根がかなり増えていた。ほとんどの球根が芽を出していた。
 腰を下ろして作業するので久しぶりに腰が痛くなったが、立ち上がって腰を伸ばすとすぐ直った。
 昨年と同じ5鉢に植えようと決めていたが、球根が少し残ってしまい仕方なく一鉢増やした。毎増やしていくと際限がないのでどこかで抑えないといけない。

鷺草の植え替えをしながら亡くなったももこのことを思った
一昨年ももこがわが家に来てすぐ植え替えをしたのだが
その時庭にいるわたしをじっと見ていたももこの顔が思い出されてならない
今思うと昨年は植え替えているわたしを見る体力がなかったように思える
あのときはももこがそんなに衰えているとは気づかなかった
もっと早く気づいてあげれば・・・・

昨年をりし犬思ひつつ鷺草の小さき球根植ゑ替へたり
植ゑ替への作業をせしわれのこと掃き出し窓からじっと見つめき



赤と絞りの椿は柴犬レオがいる時と同じくらいきれいに咲いた

朝目が覚めた時詠んだ。目が覚めた瞬間、そうかももこがいないんだと思った

 犬のいない朝を目覚める この朝いつまで続く朝にやあらむ
 いつしかに目覚めぬ朝があることを今朝目覚めたるあと思へリ
 朝目覚めこの世のふたが開けられぬこのふた開かぬ日いつかあるらむ

住職と父の芍薬について話す

 菩提寺の住職と父の植ゑし芍薬の話をしたり
 同じ鉢に10数年植ゑられし植ゑ替へれば花増えるらし
 芍薬の花増へたるを亡き父よろこべると笑ひて言える