特別支援学校のカフェに足を運ぶ

 朝の冷え込みは強くないが風が冷たい一日となった。陽射しはあたたかく、部屋に入る光を見て春の光を感じた。光が強くなり、12月や1月の光とは違う。
 お昼近く近所の特別支援学校に行き、いつも散歩する犬友だちといっしょに校内でとれた野菜を買った。葉付きの人参と蕪各一袋、小松菜一把、ブロッコリーを二袋。買い物の後、校内のカフェでコーヒーを飲んだ。窓辺の席は陽射しが降り注ぎ、温室の中で育つ植物になった気分。どこかから芽が出そう。友だちにこんなことを言われた。ももこちゃんが亡くなって時間がたったのでそろそろ・・・・・とは思わない?と。
 ももこがわたしの家にいた時間が短かったので、まだももこが家にいるような気持ちを持ちながら暮していたいと答えた。友だちはわたしの答えに納得したように見えた。ももこがいなくてもももこがいた時の続きをひとりでやっているのだが、空しさはつきまとう。ひとり芝居はいつもというわけでなく、朝起きたときとわたしが出かける時、夜、居間から寝室に移動するときが多い。
 午後は車で近くのホームセンターに行き、どのような高枝鋏があるのかチェックした。今使っているものは切れ味が悪いのでよく切れて使いやすい大きさ〈長さ)のものがあれば手に入れたい気持ちがある。これだというものがなく、細かい買い物をいくつかした。買う気はないのだが外の園芸コーナーを見て歩いた。鉢植えの花を見ながら昨年の今頃、ここでミニスイセンやクロッカスの芽が出たポット苗鉢を買ったのを思い出した。ミニスイセンが3つ、クロッカスが5つくらい。ももこといっしょに迎える春に花を多く咲かせたいという気持ちがあった。


 亡き犬の写真今朝はしみじみと目に入りくる もう節分

 老犬は大きな耳を寝かせたりわれを見ているおだやかな目

 バス停の後ろ白梅の大木ありて花咲き始めるを眺む

 白梅の密で細かい枝張りにぽつぽつ花の咲き初めており

 バスを待つ女の白梅を仰ぐ姿のどけききさらぎ二日

 ここはももこの家だよと心の中で語りかけ亡き犬と暮らす

 校内で採れし野菜を売りおり特別支援学校の生徒らは

 日が翳る部屋にぬくみ残りたり犬のうつしみよみがえるごとし

 花売り場めぐり歩いてミニ水仙買ひし昨年のきさらぎ思ふ

 花売り場に赤白、もものエリカの鉢冷たき風になびいて並べり

 エリカの花南半球の花とぞ異境にありて故郷思わず

 鉢植えのつぼみを持ちしヒヤシンス土に帰りて春を待ちたし

 冬の陽ざしと思いしが春の光になりたると今日気づきたり

 南向きの窓より光そそぐを見、はるのひかりとけふ気づきたり