短歌雑誌に8首送る

 朝の冷え込みは強く、防寒していなかった水瓶に2cmほどの氷が張った。薄氷ではなくこの庭ではかなり厚いほう。厚い氷が張った水瓶のメダカは冬になってから姿を見かけない。ときどきやる餌がなくなっているのをみて生きていると思うのみだ。
 お昼前に近くの特別支援学校に足を運び、友だちと落ち合った。いつものように売店で野菜を買い、校内のカフェでコーヒーを飲んだ。友だちとわたしは老犬ももこが縁をとりもって親しくさせてもらっているが、話せば話す程、まったく違うタイプの人間のように思う。友だちは高跳びの選手だったことがあり大人になってから剣道の道場に7年通ったことがある体育会系の方。わたしはそちらの方面はまったく自信がなく、大学時代に体育の単位のために何を思ったが剣道を選び、当時やせ細っていたので剣道の先生に武具をつけるだけでも大変と思われたことがあった。面をつけ、胴をつけると動くだけでも大変で、元気な人に何回か面や胴をたたかれた。相手の迫力を押され、倒れない方が不思議だった。
 友だちはその時の元気な人にあたると思った。短歌の話や絵画の話はあまりできないが、いままで親しくしてきた人とタイプが違うので親しくなれてうれしいと思っている。似ているところもあって、それは世話好きなところ。わたしは人間の世話はあまり好きでなく、犬の世話や植物の世話をしたい方だが友だちは動物人間の区別なく世話好きな人だと思う。
 家に帰り昼食を食べた後、何日も前から準備してきた短歌雑誌に送る歌8首を手紙を同封して送った。ブログに日々記している歌からピックアップした。ただ、かなり手を入れた。ブログには字余りの歌もそのまま載せているが、送る歌は五七五七七の流れを大切にした。結びのことばを直したものがいくつかある。
 発送した後、一つの大きな間違いに気づいたが後の祭り。歌の間違いではなく、同封した手紙の間違いである。これからはもっと自分が書いたものを気を付けてチェックするようにしよう。ブログでは間違いに気づくとその都度直せるので、気がゆるんでいたかもしれない。

 今日詠んだ歌はこんなふう。

 快晴なり日本列島 わが住む国気象衛星に裸にされし

 わが背丈のオカメ桜の稚木(おなさぎ)が軒超ゆるまで成長したり

 老犬のおりし春に植ゑ今年で5年目となるオカメ桜を見上げをり

 沈丁花のつぼみ陽の光へ向かひて小さき指ひらくが如し

 零下の日続きたれば忘れな草の葉赤み増し寒さに抗らふ

 水瓶に2cmの氷張りおれば水は動かず目高も見えず

 メリーちゃんとハリーちゃん保護犬の殺処分ゼロの公約いかに

 庭土の霜に浮けるを踏みしめて乾ける鉢に水をやりたり

 真冬の戸外に置きし蘭の鉢つぼみを伸ばし咲かせむとす

 父植ゑし蝋梅の花十年(ととせ)かけ花盛りになり夢のごとき

 こわす家を白い布でおおひたれば葬送にも門出にも見えつ

 亡き母がもし見たりなば何思ふ姉が住みにき家壊されるを


 白梅の白輝きてひたすらに今年の花を咲かせておりぬ

 白梅の白輝きぬ昨年(こぞ)のこと何も知らないその無心さ

 白梅の白輝きて曇りなき今年の命を咲かせており

 白梅の咲き進みて隣の家少しづつ壊されてゆけり