特別支援学校で野菜などを買った

 師走も押し迫ってきた。
 朝の冷え込みはそれほどでなく、日中は陽射しはあまりないが気温はそこそこ上がった。庭に置いたメダカの水甕には薄氷は張らず、花壇にも霜が降りなかった。メダカも草木もほっと一息ついているかも。わたしたち人間も同じである。寒さがやわらぐと気持ちもやわらぐような気がする。
 今日は近くの特別支援学校にある販売所や校内のカフェが開かれる年内で最後の日となる。毎朝散歩している犬友だちと待ち合わせて校門横の売店で野菜その他を買った。ぜんぶ葉付きの大根、かぶ、人参、お正月のお飾り、平たい陶器の中皿も。
 お飾りは校内の小さな田んぼで採れた藁を使って伊勢海老の形を作ったもの。陶器は陶芸班の生徒さんたちが焼いたものだ。
 人参の葉はかき揚げに、かぶは夕食の主菜に、大根は味噌汁にするつもり。
 特別支援学校に行く前に驚くことがあった。
 台所に入るとがさっと物音がする。何かが落ちたのかと思ったが見渡してもそういうものはない。気のせいかと思ったがまた音がした。隣の浴室の戸を開けると何と雀が飛んでいる。浴室の窓は閉まっているが天井近くの明り取りの小窓があり、一度開けたら閉まらなかったらしく開いたままになっているところにダンボールをはめこんでいる。その隙間から入ったとしか思えない。換気扇もあるがそこから入れるだろうか。
 何とか外に出してやろうと柄の長い箒を持ってきて、明り取りの小窓のダンボールを取り外そうと何回か試みる。雀は小さなからだをさらに小さくして、浴室の隅に身を寄せるようにしている。わたしがこわくてたまらないのだ。ばくばくする心臓の音が聞こえそうだ。何回目かにダンボールがとれると、目に留まらないすばやさで雀は逃げた。
 友だちにこの話をするとわたしが話始めた様子からカラスが入ったのではないかと思ったと。カラスが浴室に入ったらもしかしたら110番通報するかもしれないな。

 別に意識しているわけではないが昨日今日と鳥を詠んだ歌が多いようだ。

雨やんで見上げて待てば大空の深い谷から虹顕ちたり

自意識の強い尾長でありたるか下弦の月仰げば飛び立つ

お風呂場へ雀迷い来むわれを見て羽ばたくがあわれ逃げ場なきに

雀は小さなからだ小さくし風呂場の隅に身を寄せており

風呂場の小窓を開ければまたたくま雀は逃げたり広き空へ

朝の町愛犬ももこが結びくれし友と歩けば気配よりそう


稲わらで伊勢海老を形作ったお飾り
特別支援学校の生徒さんが作ったもの
橙の代わりに柚子をつけてみた
撮影用に飾ったが実際に飾るのは12月最後の週くらいから