柚子ジャムを作ってみた

 風は強いが陽射しがあたたかい。居間のエアコンをつけたのは朝だけで日中は暖房なしで大丈夫だった。 
 庭に出てやりたい庭仕事はいくつかあるが身体を動かす気になれず、ほとんど家の中にいた。
 ご近所の奥さんにいただいた柚子を使って、大根の甘酢漬けと柚子ジャムを作った。大根は薄い銀杏切にして冷凍用の袋に入れ、お酢大さじ3砂糖大さじ2の割合の甘酢と刻んだ柚子の皮を入れた。午後早く漬けたので夜になれば食べられるはず。
 柚子ジャムは柚子があまり多くないので少ししか出来なかった。柚子の皮を薄くむいたものを熱湯の中に入れてサッとゆでて笊に上げ、さめたら細かく切る。柚子の実は半分に切り、鍋に果汁を絞り入れる。種が多く種ごと絞ったので後で種を取り除くのが大変だった。柚子ジャムは香りがいいから好き。ヨーグルトに入れたり、紅茶に入れたりして楽しむつもり。
夕方近くになり、仏壇の掃除をした。乾拭きと水拭きを組み合わせて汚れを拭き取った。最初は乾拭きだけにするつもりだったが、鳥の羽で作ったはたきで仏壇の天井や彫りものほこりをとろうとしたら、羽根や細かい繊維のようなものがぽろぽろ落ちてきてかえってごみになってしまった。細かいごみを水で濡らし固く絞った布で拭き取った。
 ひとりで家にいると老犬ももこがいないことがしみじみと寂しい。ももこが死んだ時はどこか安堵したところもあった。腎不全末期に激しい発作を繰り返すことがあると獣医師に聞いていたのでそうなったらかわいそうで見て居られないと思った。そのような発作がなかったことで肩の荷が下りたような気になったのである。
 だが時間がたつにつれて寂しさが募ってくる。ももこがいないことは何をもってしてもどんなことをしても埋め合わすことができない。できるのは気を紛らわすことだけ。

 陽があたる廊下ぬくぬくと父と犬昼寝したる冬の日ありき

 いただいた柚子の皮と実で香りよき柚子ジャム作る風強い日に