紫花豆を煮てみた

 朝晩は冷え込むが陽射しが出る日中は気温が上がり過ごしやすい。
 午前中いっぱいかけて紫花豆を煮た。昨夜から水に漬けて置いた豆を2回湯でこぼした後、新しい水でやわらかくなるまで煮た。別の鍋で砂糖や醤油少々を入れた煮汁を作り、そこにやわらかくなった豆を入れて10分ほど煮て火を止め、鍋に入れたまま冷まして甘味をしみこませた。  
 甘味がしみこんだ豆を近所に住む高齢者の方と毎朝いっしょに散歩する犬友だちにあげた。この乾燥豆は老犬ももこが他界する2日前に駅前の乾物屋さんで買ったもの。振り返ると自分が何を考えていたのかわからないところもあるのだが、ももこが息を引き取る前日もその前日も車で買い物にでかけたのである。なんで、ももこを家に残してでかけたのか。あのときはももこが少し食欲が戻ったように思い、もっと何かを食べさせなければと買出しに行ったのであるが今考えるといかに必死だったかがわかる。
 豆を煮ながら一昨日借りてきた本を読んだり、明日の歌会のための準備もした。歌会に出席する人たちが作ったひとり2首づつの歌が印刷されたものが送られてきて、計26首からわたしがいいと思った歌を5首選ぶのであるがなかなか選べずにいる。3首はほぼ確定だがあと2首が決まらない。さらに今日中に送るつもりの短歌があるのだが、こちらもどの歌にするか決められずにいる。
 今夜中に決めたいと思うが・・・・・・。


老犬がいた夏に赤い花咲きていま実を結ぶ柘榴ありぬ
はなまめをゆでて甘味を煮含める ことことことと秋の日過ぎる
春のためまだ咲く花を引き抜きし秋の1日寂しくもある
最後まで咲かせてやりたいこの花を霜降りるまでこの庭にいよ
梅の葉の向こうの月に見守られ洗濯ものを取りこみたり

 来春に咲く花苗や球根を植えるため、花壇でまだ咲いているトレニア、日日草とブルーサルビアを抜いた。毎年この時期に行う作業だがももこがいなくなった今、夏の花を抜くことがいつもより寂しく思われた。百日草と千日紅はまだ抜かずに霜が降りるまで植えて置こうかと思っているが植えこみが遅れるのも心配だ。
 「はなまめ」の歌は河野裕子さんの歌の「ことことこと」を使わせていただいた。「あずき煮て病む身養ふことことことこと人のこころに近づく」