隔週でひらかれる少人数の歌会が昨日の午後から開かれた。
参加者は先生をふくめて9人。
みなさんいい歌を詠まれて、先生は22首のうち4首をいい歌として選ばれた。ときには1首も選ばないことがあるのでいい方である。
わたしの歌は先生に選ばれなかった。
今回の歌会はみなさんの詠草〈短歌〉のまとめ役と歌会の司会をわたしが務めた。
詠草をまとめるとは、一人2首の短歌を歌会のときに受け取り、次の歌会に向けてワードでパソコンに入力し、プリントアウトしたものを各自に送る一連の作業である。
司会は22首の歌をひとつひとつ鑑賞し,講評する当日の歌会で、鑑賞し講評する人を指名しながらその歌のいいところや問題点などを話し合う進行役を担う。どの歌をどの人に指名するかは司会に任せられ、すべての歌の最後は先生がしめくくる。
先生は最近ではいちばん調子が良いご様子。かなり手厳しいことも言われ、とても参考になる指摘もされた。
わたしが出した歌は
次の朝気づくメールに誕生日を祝ふ友よりの絵文字あふれて(元歌)
先生が直されて
あくる朝気づけりメールに誕生日祝ふ友よりの絵文字あふる
わたしのもう1首は
どの道を選ぶか君にまかせゐきかの夏の日の岬のドライブ
今日3月13日は4年前、あるボランティアのグループに保護されていた老犬ももこが新しい飼い主候補であるわたしに会いにこの家に来た日。暗くなり始めた頃に車でわが家に到着した。東京の東端から西端への移動でももこは助手席の足もとに眠っていた。
ボランティアのリードにつながれたももこが玄関から迷いなくさっとわが家に上がった、その姿を見てうれしかったことをおぼえている。
膝の上にももこを抱いてわたしになついているように思えた。12歳という推定年齢よりずっと年上ではないかということに気づいたのは後のことだ。そのときは年齢のことや犬の健康のことなどさほど考えなかった。
わたしがリードを持って試しにボランティアの人と共に散歩をしたがその時もゆっくりと歩いていた。近くにあった公文の教室の前で立ち止まり、こどもたちの姿をじっと見ていた。
ももこはこどもが好きだった。花火大会の夏の日、浴衣姿の幼女の匂いを嗅ぐかのように近づいていったももこのことをなつかしく思い出した。
今日はももこのことをたくさん思い出す日にしよう。毎日思い出しているから今日も、かな。
老犬ももこがこの家にはじめて来た思い出いっぱいの日に、うれしい知らせが届いた。明治神宮春の大祭奉祝 第百四十回明治記念綜合短歌大会に応募した短歌が「入選」に選ばれた。
思わず泣いてしまった。老犬ももこが他界した後の秋の短歌大会にはじめて応募し2年半、佳作にでも選ばれたいと願ってきた。わたしを支えてくれたこころのなかの大切な人たち、犬たちに感謝した。