掘り炬燵を出す

 今日はそれほど気温が下がらなかったが、昨日は部屋の中にいて暖房がないと寒く感じた。そろそろ炬燵の季節だなと思い、午後になり堀炬燵を出した。
 居間の三分の2ほどに夏用のラグを敷いているので、それをはがして掃除をした。その前に床に置いてあるたくさんの本や新聞、テーブルの上にのせた葉書やメモ用紙、愛犬や母の写真、蜜柑を盛った菓子鉢、温度計などを他の場所に運ばなくはならず、これがいちば大変だった。これらのものがなければ見た目がすっきりするし、掃除も楽なのだがいつのまにか自分の身の回りに物が集まってくる。いや、自分で持ってくるのだからしかたない。
 老犬ももこのベッドが置いてあった居間の隅に、ももこの絵や何枚もの写真、首輪、花を活けた花瓶を置いてももこを偲んでいる。写真の一枚に昨年の11月頃、炬燵の横で眠っているももこがいる。掘り炬燵を出す季節にももこがいたのは一回だけだったと思うと寂しさが込み上げてきた。昨年のブログには掘り炬燵を出すわたしが何をやっているのかと興味そそられ歩き回るももこのことが書いてある。そんなももこの姿をもう一回見たかった。
 ももこがいた時使った炬燵布団カバーはあえて避けて違うものを使うことにしたが、それは柴犬レオがいた時に使ったもので、掘り炬燵によく落ちた最晩年のレオを思い出す。
 ももこやレオを思い出しながらも手足は動かし、今年も掘り炬燵を無事に出すことができた。これもささやかな幸せかもしれない。
 
 庭仕事はひとつだけした。大きな鉢に植えてある朝顔を引き抜いて土を全部出して、新しい土に入れ替えた。新しい土と言っても一度使った古い土をよく乾かし腐葉土や土壌改良剤を混ぜたもの。鉢植えの土はぜんぶリサイクルして何回も使うことにしている。朝顔の後にはアゲロステンマ(薄いピンク色の花が咲く)の小苗(種から発芽したもの)を三つ植えた。今年の春はこの鉢に同じ花を植えたので来春も同じように咲いてくれることを期待している。
 今年は朝顔の葉が9月に入ってから大きなガの幼虫に喰われ、ほぼ丸坊主になってしまった。今日もその幼虫を見つけてぎょっとしていると、知り合いの人が通りかかり手でつまんで排水溝に捨ててくれた。寒さに向かうこの時期にこんな大きな幼虫がこれからどうしようというのか不思議。