金木犀の香りが・・・・・・

 夕方から出かける予定があるが、それまでは家で過ごした。
 来春のために蒔いた種の発芽が思わしくなく、発芽しても長雨によりヒョロヒョロ伸びて心もとない。種まきの後、まだひとつも芽を出していないのがネモフィラとチドリソウ。矢車草は数日でたくさんの芽を出したが雨が多かったので根元から倒れそのまま傷んだものが多く、生長したのは1割くらい。ニゲラは蒔いた種の数に比して出た芽が少な過ぎる。カワラナデシコは蒔いた種の数だけ芽を出し、いまのところほぼ順調である。アグロステンマはぼちぼち芽を出してきた。
 種まき用の土を買ってあったので、矢車草とチドリソウ、アグロステンマの種まきを再トライした。ニゲラも蒔いた方がいいかも。ネモフィラは新しい種を買うという手もある。
 そんなこんなで午前中と午後を過ごしていたが、玄関から外に出てまた戻るために庭の通路を何度も行ったり来たりした。その行きのとき。何かの目的がありただ歩くことだけに集中しているわたしのほうへ、濃厚な金木犀の香りが漂ってきた。振り返り、金木犀の古木を見上げるとまだ花開いていない金木犀の薄い色のつぼみがギッシリとついているのが目に入った。こんなつぼみでも薫るのかと思い、金木犀の香りの記憶がいくつもよみがえった。わたしの部屋の雨戸を朝開けた時、ふわっと香る金木犀は父母、柴犬レオがいた時だ。レオと駐車場で金木犀の香りに包まれるように過ごしたことは忘れらない。この8月末に亡くなったももことは哀しいことに金木犀の香りの思い出がないように思う。ももこがいない9月だがももこを偲びながら金木犀の香りを味わうことにしよう。


急ぎ足の鼻先にふと香りたつ金木犀よ声をかけたか

粒となりて注ぎ来るような木犀の香りふいにわが顔先に

木犀の香りが降りそそぎ来れば愛犬とわたしともに包まれき