矢車草とネモフィラの種子を蒔く

どんよりとした曇り空からときおり雨がぽつりぽつりと降る。

広縁の掃き出し窓を開けておくと、涼しい空気が居間に入ってくる。

午前中、庭に出て昨日の種まきの続きをした。

桃色の花が咲く矢車草の種子は思ったより数が少ない。花が終わった後しばらくたって茶色に枯れてから採取したのだが、種子ができていないものが多かった。指で押して固く感じられるものは種子が中に詰まっているが、くしゃっとやわらかいものは種子がない。

 桃色の矢車草は来年の春、もしかしたら花が見られないかもしれないな、なんて思った。

 反対に青色の花が咲く矢車草は種子が多くて、昨日に続いて今日も2つのポット鉢に蒔いた。

 ホームセンターで買ってきたネモフィラの種子は平たい素焼きの植木鉢に土を入れて蒔いた。ネモフィラの種子は光を好む性質なので、種子の上に土を薄くかぶせるように、と書いてあるがわたしはまったく土をかぶせなかった。今までの経験で、土をかぶせないほうが発芽しやすかったからだ。

 雨がぽつぽつ降る中で種まきをした。ニゲラの種子は明日にすることにした。

 静かな静かな日曜日。この静けさがとてもここちよいと感じた。誰の気配もない、生きものはわたしだけで、でも寂しいとは思わない。かなり貴重な日曜日だ。

 寂しさすれすれのところの充足感。今まで日曜日を何日過ごしてきたのだろうか。これから何日過ごすのだろうか。

 午後は本を読んで過ごす。たくさん読みたい本を図書館から借りている。読み切れない。けれど少しづつ読むことにする。今日読んだのは宮城まり子さんが書いた『淳之介さんのこと』。作家である吉行淳之介を愛した、その愛し方がせつないほどだ。