さわやかな5月だけれど

 5月最初の日を迎える。新しい年が始まったと思ったらもう5月か。凍てつく冬の記憶は遠ざかり、これから暑い暑いという季節に近づいていく。季節の変化と共に身辺の変化もあった。
 ひょんなことから年老いた保護犬のももこさんと暮らすようになった。ももこさんとお見合いをしたのが3月13日だから、ひと月半あまりとなる。
 午前中、ももこがわたしの部屋に(これからは2人の部屋と呼んだ方がいいかも)置いたベッドに眠っている。その傍らでわたしも身を横たえた。おかしなことだが、急に悲しくなった。健やかな眠り顔を見せてくれるももこだが、かなりの年である。愛犬とその家族との関係は、愛犬に先立たれた方が幸せといえることはわかっている。ももこはわたしにとって家族であるが、家族のなかでもこどものようなもの。人のこどもの多くは親が逝くのを見送るが、愛犬の場合は犬のほうが先立つことが多い。ももこはわたしにとってこどものような存在だが、自分より先に行くかもしれず、それが幸せなことだということに静かな涙を流した。
 特にももこは老犬になってわが家の子となった。そのことにあらためて思いがいたった。
 こうして書いているわたしのかたわらで、ももこは軽いいびきをかいて眠っている。柴犬レオはいびきをかかなかったので、ももこのいびきはちょっと新鮮。今ここで眠っていますよ、といびきが言っているように思える。
 ももこが眠っている間、柴犬レオのことを思い出した。2012年に書いたブログを拾い読みしていたら、わたしの膝の上でまったりとしているレオの写真を見つけた。2012年10月のブログなので、一年後の秋にはレオはこの世にいなかったと思い、胸が締め付けられた。こんなにおだやかな顔をしているレオだがなぜか泣き出したという。なんで泣いているのかわたしにはわからなかった。わかることが出来なかったと思った。


昨夜のももこ



今日の午前中のももこ
同じ部屋で眠っている


紫色のアイリスのつぼみが上がってきた
この球根は昨年秋に植えつけた