なつかしい犬友だちに会った

 晴天がひろがったが風が強く、朝夕は寒くなった。
 夕方、老犬ももこと家の前の道路を歩いていると、わたしの顔を見つめる女性が現れて何だろうと思っているとその人の口から柴犬レオの名前が出た。
その一言で誰かわかり、その人が飼っていたわんこの名前をこちらも口に出した。レオということばが発せられることで見知らぬ顔が見覚えのある顔に変わる、奇妙な瞬間を体験した。
 犬友だちのわんこは18歳で2年前に亡くなった。レオより一年近く長生きした。立ち上がるのがやっと、という状態の愛犬を2年近く面倒を見たそうだが「わたしが同じような状態になったら誰か面倒みてくれるだろうかと思ったわ」と犬友だち。我が身を振り返れば確かにその通りだ。わたしの場合は誰も面倒を見てくれないので、自分のことは自分でやれる状態をできるだけ長く保つしかないといつも思っている。
 レオの同世代のわんこが数年の間に次々と亡くなった時期があった。若い頃、多摩川の河原で元気に遊んだ犬たちが同じ時期に老いて亡くなっていく寂しさをかみしめた。
 ももこは強い風を受けてしっぽがなびき、被毛が乱れている。強い風がまともにももこに当たったなと見ていたら、ももこがよろめき道路際のフェンスを支える支柱にぶつかった。風がももこを飛ばしたのである。犬は人間より体重が軽いが重心が低いので風に飛ばされることはないと思っていた。元気な犬ならば風に飛ばされることはないのかもしれないが、足もとがおぼつかないももこは強い風に踏ん張れなかったにちがいない。

午後はずっとこの部屋で眠っていたが夕方近く起き上がったももこ
この後に外に出た

柿と桜の若葉
やわらかい若葉の葉の重なりがきれい

風に吹かれるアグロステンマの花

オオムラサキツツジの花