柴犬レオの20回目の月命日

 陽射しはあたたかく、風が冷たい冬日が続く。今日は一昨年16歳と2か月あまりで他界した柴犬レオの月命日。1年8ヶ月になる。
 午前中、犬友だちから電話をもらった。彼女は昨年3月に愛犬を亡くしている。よく買い物に行くスパーマーケットとホームセンターを合わせたような店にペットショップがあり、友だちはつい覗いてしまうという。売れ残っている昨年8月生まれの柴犬がいて、入れられているケージが小さく感じられるほど大きくなったが行くたびにいて、胸を痛めているようだ。その話を聞いて、レオの6ヶ月くらいの時はどのくらいの大きさだったろうと思った。もう子犬ではなく、身体が大きくなり、すごく痩せていたように覚えている。まだ幼さが残っている。ころころと太って、短い手足でやんちゃをしている子犬の時に比べると、見た目の可愛さは少なくなっているかもしれない。
 友だちの話を聞きながら、もう一度柴犬が家に来てくれたらいいなと思った。気持ちは動いても実際の世話のことを考えると・・・・・・なんとも言えない。
 お昼頃、庭に出たら思ったより陽射しがあたたかく、そのつもりはなかったが、つい目の前の柚子の木を剪定した。柚子の木は2本あり、今日のは居間の続きの広縁から眺められる裏庭(奥庭)に植えられている。脚立を立てかけて、ノコギリで木の天辺に混み合っている太い枝を何本か切り、さらに交錯した枝、細い枝を剪定鋏で切り落とした。かなりすっきりとした。
 昼食後もあたたかい陽射しが続いたので、お墓の花立の水を代えるためにお寺に行き、その足で陽光に誘われるように散歩にでかけた。ほんとうはすぐ家に帰るつもりだったが、行けるところまで歩こうと思い、等々力不動尊にたどり着いた。道中、レオの思い出にたっぷりとひたった。
 不動尊の本堂の下側にある境内はレオとよく訪れた所。地蔵尊が安置された祠の周りに、紅白の梅が何本も植えられている。まったく手入れをしていない梅の木は、野放図に枝を伸ばしている。まるで琳派の絵画のような枝ぶり。少し離れた所に一本だけ枝垂れ梅が咲いている。この梅はレオといっしょに来た頃も咲いていた。その当時より樹高も高くなり、枝張りも大きくなっている。
 境内から矢沢川沿いに階段を降り、川沿いの店で休憩し、川を下っていく途中で犬友だちのひとりに会った。こちらは3年前に愛犬を亡くしている。レオの思い出にひたっていると、その当時によく会った人にまた会えるのかもしれない。立ち止まると北風が冷たく感じられるが、しばらく立ち話をして別れた。
 家を出たときはまったくその気はなかったが、友だちに会ったためか、レオとよく行った多摩川の河原まで足を伸ばした。河原で17年ほど前の若いレオを思い出した。やんちゃで振り回されることもよくあった。あの頃はレオが老犬になるなどど思いもしなかった。河原を歩いて家に帰った。


レオに手向けたお花


外で管理しているシンビジュームの花芽が少しづつ成長している