冬晴れの日、多摩川へ

 冬晴れで、風がなくおだやかな日。
 昨日に続いて、多摩川の河原に足を運んだ。河原に降り立つのは、柴犬レオが一昨年亡くなってからは年に数回ほど。亡くなる前、高齢犬になってからも同じくらいの頻度だった。こうして続けて来るのは今までにない事だった。
 昨日、レオが元気な頃よく顔を合わせていた犬友だちから電話があり、また散策の途中で別の犬友だちに偶然会い、わたしの中で眠っていた小さな種子が突然芽生えたような気持ちである。レオが高齢になり、あまり散歩を楽しめなかった頃、その後、どんどん衰え、老化も病も進みついに息を引き取ったこと。そしてレオがいなくなってからの日々。心のどこかをなだめつつ、自分に言い聞かせるように何かを抑えてきたように思う。レオとの幸せな思い出も思い出すと辛いので抑えてきたのかもしれない。そうして抑えられてきたたくさんの眠っている種子がわたしの中にあるような気がする。そのひとつが、昨日芽生えた。
 これが河原に向かわせたように思える。元気なレオと楽しい時間をたくさん過ごした河原へ。
 レオと過ごした楽しい時間を思い出すことは辛くもある。死んだことを再認識することでもある。こうした心の中の小さな変化をていねいに受け止めていくしかないような気がする。


今日の多摩川の河川敷
青空にひろげた反物のような雲がきれいだった
遠くに冠雪の富士山が見えるが写真には写っていない
グラウンドで愛犬を遊ばせている人がいた


河原の冬木立と青い空、雲