雪舞う元旦

 2015年1月1日。新しい年が始まった。朝日が近くの神社に植えられた松の木の上から登り、その眩しい光に目を細めた。
 日が射しているうちに神社に行き、昨年のお札をお炊き上げの場所に返し、参拝した。御神籤とおふだを置く簡単な台を購入した。わが家には神棚がないが、これで神社のおふだの、わが家での居場所ができた。
 だんだん雲が空を覆うようになり、お昼前に小雪がちらついた。居間から眺める冬枯れの庭に小さなちりのような雪が舞っているのを見たときはびっくりした。日本海側では大雪が降っているがこちらにも山脈を越えて雪がこぼれてきたようだ。
 雪が止んだので午後、新年のお墓参りに行こうと外に出たが歩いているうちに雪がまた降り出した。さっきより降りが強い。お寺で墓参している間も降っていたが帰りは止んだ。雪に気をとられ、父母に新年の挨拶を言うのを忘れた。お線香をあげて手をあわせただけ。
 時々雪が舞うがすぐ止んでしまう。凍えるような寒い元旦となった。
 午後遅くから、北野武監督の『アキレスと亀』という映画をテレビで観た。売れない画家や画家志望の若い人たちが登場する面白い映画だ。

 こんな短歌を作ってみた(大晦日に)

 亡き父を継いで始めた庭仕事 梅もスモモも春を兆せり

 こちらは今日

 ふいに雪のかけら舞い降り訪なう鳥の姿見えぬ元旦となりたり