せっかく庭に一本だけ植えたソメイヨシノが満開になったのに、
東京は朝から雪が降った。
6時前に起きたときはまだ雨だったが、9時前に気がついたら雪が降っていた。うっすらと庭に雪が積もり始めた。
雪は降り続け、止んだのは午後1時過ぎ。
居間ではエアコンをつけていたので、障子戸は締め切ったまま。雪が降る庭を眺めながら過ごすことはできなかった。ときどき庭に面した部屋に行き、硝子戸から雪の降る庭を眺めた。
午前中はときどき降る雪を見に行きながら、昨夜から水に漬けておいた紫花豆を煮た。紫の濃淡の模様がある大きな豆だ。栗原はるみさんの料理本の中にあるレシピでいつも煮ていたが、この本は昨年の水害で水浸しになり捨ててしまった。インターネットで検索すると同じレシピが出ていたので、前と同じように煮ることができた。
煮終わった頃、雪が止んで雨に変わった。
昼食後しばらくたち、とても眠くなった。朝いつもより早く目が覚めてしまった。炬燵に入って横になり休むつもりだったがいつの間にか寝入ってしまった。夢を見たがどんな夢か忘れた。こんなにしっかりと仮眠をとったのは最近では珍しい。
桃の花さくらの花も三月の雪に打たれてなほ咲きにけり
切り株に雪が積もれば在りし日の葉を繁らせし樹が浮かびくる
花大根むれ咲く原にわが犬が仏頂面してこちらを見てをり
ほほえむがごとき顔にて目の大き犬がをりたり写真のなかに
夕闇にまだらに残る雪浮かび時の移ろひつきつけるごとし
雪止む夜犬を連れたる隣人とあいさつするがこの日の一声