朝から晴れて、秋の冷たい空気が庭を満たしていた。朝日の色というか光のさし方に秋を飛び越して初冬を感じた。
早く進む季節に背中を押されるように、初夏に挿し木したクレマチス(紫色の大輪が咲く)と白花が咲く沈丁花を植え替えた。どちらもそんなに根は伸びていないが、うまく育てれば冬を越して来春さらに成長するだろう。斑入り葉でピンク色の花が咲く沈丁花の挿し木も数日前に植え替えた。ぜんぶで9本の沈丁花を植え替えた。このうち、半分くらい花が咲くまで育ってくれればいい。
あまり日があたらない所に植えた葡萄の木に今年は2房の実がなったが最後のひと房を切り取った。今日の葡萄も絵に残した。淡彩でさらっと描いた。
昨夕のこと、短い散歩に出かけたその帰り、この夏に16歳の誕生日を迎えた老犬に会った。柴犬レオの友だち犬で1歳半ほど年下だ。奥さんがベビーカーを押し、ご主人がわんこの手の付け根と足の付け根につけた2つの胴輪を持って、わんこを支え持ち上げるようにして歩いている。しばらく歩くと、ベビーカーに乗せて休むようにするのだろう。胴の二か所に回した帯状の布を使わないと立ち上がることができなくなったとのこと。それでも歩いてもらった方がいいと奥さんが言った。
わんこはやっとのことで歩いているがそれでも他のわんこが来ると興味があるらしく、近づこうとする。その姿を見て、最後の夜のレオを思い出した。駐車場にトイレのため出ていたとき、近所の友だち犬が通りかかり、レオも相手を認めて近づこうとした。これがレオが最後に会った犬となった。
ご夫婦にはお子さんがいなく、愛犬はわが子と同じ。どれほど力を尽くして介護しているかが伝わってきて、頭が下がる思いだ。わんこもきっとお二人のこどもとして少しでもそばにいたいとの思いが強いだろう。健気な犬の気持ちが痛いほどわかる。
柴犬レオが晩年よく眠っていた広縁に木の影が映っている
向かって左側がジャカランダの葉の影
右側が桃の葉の影