鷺草が咲いた

 鷺草は、今年の3月に小さな球根を昨年植えた植木鉢から取り出し、新しく水苔を敷き詰めた鉢に植え替えた。小さな芽が出て、少しずつ大きくなるのを毎日見ながら、今年は花が咲くだろうかと頭の隅で不安に思っていた。一度、一つも花が咲かない年があったからだ。柴犬レオがまだこの家にいる時で2年前、2012年のことである。葉っぱだけは大きくなったが花芽がつかなかった。
 今年は例年より花茎が長く伸びたが、少し前からつぼみがたくさん付いていたので、いつ花が開くかと期待しながら見ていた。数日前に1輪だけ開花したが、花の縁が茶色になり少し傷んでいた。真っ白な花が咲いたのは今朝である。上から見ると鷺が翼をひろげ、飛んでいる姿を思わせる。8月の暑さの中、清冽な白である。
 今日は午前中から室内の掃除をあれこれした。居間に敷いた大きなラグを丸ごと洗濯機で洗い、仏間と居間、廊下に掃除機をかけた。トイレの掃除も隅から隅までした。昨日は外は台風の風雨が強かったが、レオが亡くなる前によくいた部屋(庭に面した広縁)に敷いたジョイントマットを水拭きした。
 あまり掃除が好きでないわたしがなんで急に掃除をし出したかというと、友だちと家で会う約束をしたから。どこか外で会うつもりだったが、陽射しが強そうなので、家に来てもらった方がお互いに楽ではないかということになった。炎天下の外出は二人とも不得意だから。天気予報によると、猛暑日〈最高気温が35℃以上)はしばらく来ないとのことだが、台風が来る前の暑さが身に染みて堪えたので、暑い日はなるべく外で歩くのを避けたいと思った。
 そのための家の掃除だが、こちらも大変といえば大変である。レオに「いっしょに友だちを迎える準備をしようね」と心の中で話しかけたので、どこかでレオが見ているような気がする。


数輪の花が咲いているが、ひとつだけひときわきれいに咲いている



葉っぱが付いていた枝をぜんぶ切り落としたジャカランダから
新しい枝が伸び、葉っぱがたくさん出てきた