鷺草の鉢植えをひとつ養子に出した

 毎日暑くて出かけない時はエアコンがきいた居間にほとんどいる。
 今日も早朝コンビニに買い物に行き、お昼前に近くの友だちに食べきれない羊羹を届けた以外は家にいた。
 わが家には鉢植えの鷺草が6鉢ある。この暑い時期は朝夕の水やりが欠かせない。ちょうど10年前に花屋で小さな鷺草の花が咲いている鉢植えを買ってから数年はそのまま放置したがその後は毎年球根を取り出して新しい植木鉢に植え替えている。植え替えるごとに球根が増えてだんだん植え替える植木鉢の数が多くなった。
 老犬ももこがいた昨年は全部で5鉢に植え替えたがそのときも多すぎると思った。今年は一鉢増えてこのままだと手に余るようになると思っていた。
 ところが近所の床屋さんが栽培している鷺草が花が咲かなくなり、しかも球根がほとんどできなかった。今年は数個を何とか植え替えることができたが花はやはり咲かないようだ。こんなことがあったので、春先にわが家の鷺草が無事に成長してつぼみをつけたらあげると約束していた。
 つぼみが膨らみはじめたので花が開かないうちにと思い、夕方近くに床屋さんに持って行ったのである。
 10年間いろいろなことがあった。その年月の間、命を継いできた鷺草の一部を手放すことが少しだけ寂しいがそんなことは言ってられない。増えすぎて捨てるようになるよりずっといい。植物だけでなく生き物はすべて思いがけなく繊細なところがある。少しくらいの環境の変化やまた厳しい環境でも生き抜くたくましさを持っているが半面とてももろいところがある。植物は環境に自分が合わなくなると徐々に弱り枯死することがよくあるように思う。ほんとうにたくさんの植物を枯らしてきたのでよくわかる。わが家の鷺草もちょっとしたストレスが重なり、消えてなくなるなんてことがないように気をつけて世話をしよう。
 

 夏の朝アオスジアゲハはもう飛べぬ羽根をひろげてやすらふごとし

 日の射さぬコンクリートに羽根ひろげアオスジアゲハ徐々に死にゆく

 風に吹かれアオスジアゲハのむくろ裏になり表になるいと軽し

 庭で見かけしアオスジアゲハにやあらむ むくろとなりて風に返さる

 丸子橋を渡る電車きのうは乗り今朝は川原から眺めていたり





奥に写っている鷺草の大きな平鉢はかなりの数のつぼみがついているが
小さめの鉢は葉っぱが繁っていても花つきはいまいち 

平鉢のつぼみをクロ―アップしたが小さいのでわかりにくい

向かいの家からもらったキバナコスモスが一輪だけ咲いた