11月に訪れた美術館の絵を描いてみた


 朝はかなり寝過ごした。昨夜、映画監督である小津安二郎の生誕120年、没後60年特集のテレビ番組を見て、眠りにつく時間が0時を過ぎたからだ。

 小津監督の映画や、小津氏個人について、新しい発見をもたらしてくれたテレビ番組で、夢中になって見た。想像力を刺激する、すばらしい内容で、わたしももっとこの監督の映画を見たり、本を読んだりして勉強したくなった。

 そんなわけで日曜の朝、目覚めたのは8時過ぎ。起きたのは9時ごろだった。

 おそめの朝食をとりながら、日曜美術館を途中から見た。浮世絵の見方を放映していて、興味をひかれたので最初から見ればよかったと思った。再放送を見逃さずに見ることにしよう。

 なんとなく気持ちが動いて、絵を描くことにした。

 11月の半ば頃、高速バスに乗って訪れた千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館を写真を見ながら描いた。絵を描くつもりはまったくなかったので、たくさんの写真を撮っていなくて、美術館の建物を撮った写真は一枚だけ。

 紅葉が半分くらい進んだ樹と常緑樹がまじりあう樹林を背景に、美術館が建っている。円筒形の建物で、屋根はとんがり帽子のようなかたち。芝生にかこまれたアプローチの道が続いている。

 水性のペンで下書きをして、水彩絵の具と水彩色鉛筆で彩色した。

 小さなスケッチブックに書いた。これは9年前、東京の古い建築を描くという公募展に水彩画を出展し、何かの賞をいただいたときの賞品のひとつ。使うことなく歳月が過ぎたが、何の気なしに手に取って使い始めた。

 建物の絵を描くのは5~6年振りくらいだが、ごく自然に描くことができた。絵を描くのも楽しいと思えたのが収穫である。

 夕方は出かけようと思い、パスモやバスが無料で乗れるシルバーパスの入ったカード入れを探したら、ここだろうと思うところにない。焦って落としたかと思い、思い当たる数か所に電話したが届けられていなかった。

 念のため、持っているすべてのバッグをあらためて探したら、見つかった。ふつう、このバッグにはパスモのケースを入れることはないので、最初見落としたのだが、なんで入れたかを思い出した。

 だいぶ遅れたがバスに乗って駅前のカフェに行き、短歌の歌集を読んだり、スマホで調べものをした。

 帰りは駅近くの成城石井で、マッシュポテトの素とパンケーキの素を買い、またバスで乗り、家路についた。