風が強く冷たい。
昨日、メールで送ってもらった資料を読んで、更に知りたいことができたので、国会図書館に行った。
多摩川の土手の上を走るバスに乗るため、バス停で待っていたが風が冷たい。川向こう、ずっと遠くに冠雪の富士山が見える。
バス停の下、土手の斜面では母親と幼子が段ボールの橇に乗り、滑っている。正確に言うと、滑ろうとしているがなかなか滑らない。
でもそれなりに楽しそうだ。
斜面には枯れた草が残るだけのようだが、よく見ると黄色いものが散らばっている。クロッカスの花びらのようだ。クロッカスの細い葉が押し倒されているのが見えた。
この土手にやっとの思いで生き残り、早春の花を咲かせて、このようにされてしまう。
なんという不条理!人間だったら抗議の声をあげるかもしれないがクロッカスは黙っている。
国会図書館はそんなに混んでいなく、快適に調べものができた。歌人、永井陽子が活躍した時代、女歌という短歌の概念があつて、様々に論じられた。その痕跡を探った。私自身は「女歌」という言葉も、この言葉が表そうとしていることも嫌いなので、あまり気が進まない。そんなに生産的なぎろんにも思えないし。
4時少し前まで図書館にいて、調べものを終わりにした。全部調べられなかったが。ただ、別の収穫があった。どんな収穫か、いまは明らかでないがなにかの芽のようなものに触れた気がした。
バス停から見た富士山と、段ボールの橇で遊ぶ風景