陽ざしがたっぷりなので、日の当たる所はあたたかだ。
午前中は坂を上って最寄駅の商店街に行った。お墓にお供えする花を買うためだ。
父の命日は2月2日だが4日遅れの墓参に行くことにした。
ついでに、夕方近くわが家に来ることになっている友だちのために、焼き菓子をいくつか買った。この店はサラダやオードブルなど量り売りのしゃれたお惣菜も売っていて、ケーキと焼き菓子の種類が豊富だ。はじめて店内に入って、どれもおいしそうなのでうれしくなった。
友だちにマドレーヌとフィナンシェを各２つ買った。ケーキにも食指が動いたが、花屋で花を買ってそのまま寺に行くつもりだったので、持ち運びの途中に気を使うのは大変と思い、焼き菓子にした。
洋菓子屋は駅近くで、花屋は商店街の真ん中あたりにある。焼き菓子を買ってから花屋に行き、2束の花を買った。環状八号線という広い道路を横切り、坂を下って寺に行った。
ほとんどの墓は枯れた花が目立ち、父母のも同様だ。古い花を捨てて、花立をきれいに洗い、真水を満たした。買ってきた花を供えた。
父が他界してから12年。わたしが現在、生きていられるのは父のおかげが大きい。わたしをひとり残して死ぬことは心残りだったかもしれないが、元気でやっていますよ。自分の気持ちを大切に生きようとしていますよ。寒いときに死んだ父がとてもかわいそうになった。春を迎えることなくこの世を去ってしまって。
友だちから電話があり、友だちは4時頃わが家に来るが、もうひとり知人が後になってわたしの家に来るという。
ほぼ時間通りに来た友だちと、いつもよりあらたまった話をした。絵画の展示会に行こうと言う話もした。この前会ったときは、わたしが少し感情的になって、友だちを困らせたが今日はそんなことはなかった。
先ほどの電話通り、わたしが初めて会う人（友だちの知人）も来て、小一時間ほどいた。その人が帰った後、友だちとさらに少し話した。
友だちはすっかり暗くなった道を自転車に乗って帰った。
