予祝のように

 以前は桃の木が二本植わっていた庭のいっかく、その二本は枯れてしまったけれど、同じ地面に植えられているものがある。

 たくさんのクロッカスの球根だ。

 日差したつぶりの日曜日、庭にでて、クロッカスが植わっているあたりに行くと、咲いていた。白いのがひとつ、黄色のがひとつ。黄色の花はかなり日陰に植えられていて、年ごとに花の数が少なくなる。それでも今年は咲いていた。

 12年前の早朝、父が亡くなったその日には白か黄色のクロッカスがたったひとつだけ咲いた。あのときのクロッカスかそのまま生き延びたのかどうかはわからないが、今日咲いている黄色のクロッカスとほぼ同じ場所だった。


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 春本番の予祝(前祝い)のように咲いている、クロッカスに元気をもらえた。わたしの日々にも予祝のやうななにかがあるとうれしいな。このブログを見ている人たちにも。

 昨夜はちゃんと眠ったはずなのに午後になり、眠くなった。炬燵の横にごろんとなり、しばらく眠った。目覚め際、短歌がひとつできた。何にしようかと考えていた題詠である。「日差し」という題。

 眠って頭のなかがほぐれたのかもしれない。


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