パンジー、プリムラを植える

 夜間は雨が降っていたようだが目が覚めた時は雨がやみ陽射しが出ていた。
 朝はいつものように老犬ももこの友だち犬、飼い主さんと15分ほど歩き家に戻ってきた。
 午前中早い時間に花屋さんに花苗や培養土を買いに行こうと思ったが弟から電話があり、家に来ると言う。家の中が散らかっているので慌ただしく片付けた。弟はわたしと違ってきれい好きで床やテーブルに不要なものが置いてあるのを嫌がる。居間はまるでももこがいるかのように、ももこが生前よく眠っていた場所をきれいにしてある。ときどき新聞などを床に置くことがあるが、すぐここはももこの場所と思い片付ける。居間にはまるでももこを待っているように空いている場所がある。
 仏壇でお線香をあげた弟と父の話をした。もう5年たつのかと弟。わたしは母が亡くなり3年後に父が死んだとことばを添えた。母は来年で9年、父は6年目になる。10月中旬ころから体調を崩し3週間ほど仕事を休んでいた弟だが休養をとりだいぶ元気になったようで、先々週から仕事に復帰している。仕事を休んだ時は心配したが、とりあえず安心した。
 弟は今日が賞味期限のつきたての餅を使ったお菓子を持ってきてくれた。食べきれなければ誰かにあげてくれればいいと言ったので、友だちに電話して事情を話す(血糖値の検査まで甘いものを控えたいことなど)と取りに来てくれた。友だちはももこの遺骨の前でお線香を手向けてくれた。ももこのことを詠った短歌で互選賞をとったと賞状を見せると印刷された歌を読んで「思い出しちゃった」と泣いた。わたしも友だちの涙を見て泣いた。「短い間だけれど愛されてよかったね」と友はももこに話しかける。「ももこといっしょに暮らせて幸せだったよ」とわたしも話しかけた。
 車で花屋さんに行ったのはお昼近くになったが、買いたいと思っていたパンジープリムラの苗が豊富にあったのでまとめて買った。プリムラ・ポリアンサは6苗、フリルパンジーを3苗、ビオラを2苗。さらに25リットルの培養土を一袋。香りのある水仙の球根も一袋(3個入り)。ほしかったアイリスやスノードロップの球根はなかった。
 家に帰り昼食をとり食後少しだけ休んで庭に出た。心の中でお母さんは庭でお仕事だよとももこに話しかけた。いっしょに来てもいいよと。せっせせっせと庭仕事に励んだ。

 朝影が低く斜めに射しこんで仏間に届くを啓示のごと見ゆ

 弟の「元気になった」と言うを聞きたれば安堵して受話器置く

 弟と姉どちらも年をとりて父母の命日などを語りあう

 愛犬を詠った歌を読みくれし友は思い出したと泣きぬ

 見えぬ姿の愛犬に声をかけ春に向けて庭仕事せり

フリルパンジー2苗とヒヤシンス球根2個、チューリップの球根3個を植えた
チューリップの球根は花の色を忘れたので咲くのが楽しみ

金魚鉢のそばに置いたテラコッタの植木鉢に
えんじ色のビオラとピンク色のプリムラを植えた
空いているところにはラナンキュラス〈赤〉の球根を植える予定
昨年秋ももこのために同じ鉢で寄せ植えをしたので今年も、ももこのために植えた

紅梅の根元にある花壇には色とりどりのプリムラを植えた
これは毎年の定番