明治神宮に初詣して、丸の内の静嘉堂美術館へ

 新年3日目は素晴らしい晴天。

 あまり早く家を出られなかったので心配したが、初詣の明治神宮は混みあっていた。

 JR原宿口の新しくなった鳥居を礼をしてからくぐり、人は多かったがそれほどでないと思っていた。だが拝殿まであと200メートルと言うところで足止めされた。

 現在は参拝するまで40分から1時間待ちと大きな液晶画面に表示されている。集団のかたまりとなって待った。人の多いのが苦手なわたしは発作が起こらないか心配だったが、狭いところに閉じ込められているわけではないのでなんとか持ちこたえた。いざとなったら神宮の森に逃げようと思った。

 止まっては動きを5~6回繰り返してやっと拝殿に入る南神門をくぐることができた。わたしは正門でなく脇門をくぐった。

 いざお参りとなっても列ができていたが、ひとりなのでするすると人波をくぐり抜け、早めにお参りができた。お賽銭は前もって用意し、祈念することも決めて置いた。ていねいに2回礼をして、柏手は2回、お賽銭は遠くに投げた。神様に願いが届きますように。届かなくても願う思いがわたしのこころの支えとなりますように。

 あんなに混んでいたのにお参りをすませると待つという苦行から解放され、すがすがしい気持ちになった。お御籤は父母に孝行せよという内容で、わたしにはもう父母はいないので肩透かしを食った気持ちになった。木の枝にお御籤を結わえて持ち帰らなかった。

 参道を歩いて原宿口に戻り、そこから東京メトロ千代田線に乗り、神宮前駅から二重橋(丸の内)駅へ。

 丸の内界隈を少し歩くと、ここは箱根駅伝のゴールであるらしい。人が歩道にたくさん集まっている。車道には警察官の姿も見える。わたしもゴールの様子を見たいと思ったが人が多すぎて見えないのであきらめ、ランチをとる店を探すことにした。

 三菱一号館美術館に隣接したビルの地下でランチを食べた。代金のわりには味はいまいちで、お正月はこんなものかなとも。

 すぐそばの静嘉堂美術館へ歩いて行き、13時半の当日券を予約して20分ほど待ち、入館した。

 この美術館に来たかったのは展示内容より以前老犬ももこがこの家にいる時、世田谷区のアクセスが不便なところにあったこの美術館に行ったことがあり、思い出をたどる気持ちがあった。

 ももこがいたときもこの美術館に行ったのは冬だった。12月だったように記憶している。二子玉川からバスに乗り、降りてからもかなり歩いた。山のようなところの上にあったのである。静嘉堂文庫美術館と言う名前だっただろうか。美術館の建物そのものが歴史的にも美術的にも価値のある建築だった。

 今日入館した静嘉堂美術館はあのときの面影は何もなく、ただ国宝の「曜変天目」茶碗はあの日も見て今日もあったので、そこでつながった。2015年の12月に見て、2023年の1月に見たのである。ほぼ7年振りだがこの7年はいろいろな変化のあった7年だった。

 美術館を出て、東京メトロ千代田線で表参道に行き、そこで半蔵門線に乗り換えて二子玉川へ。駅前のいつも行くカフェに入った。すごく混んでいたが運よく席があった。席が空くのを待つ人が次々現れたが、2時間近くは店にいた。

 

明治神宮で並んで待っているときの写真、前方に南神門が見える、この門をくぐれば参拝できる

丸の内の三菱三号館美術館、こちらも見たかったが時間的体力的に無理だった

静嘉堂美術館の入り口、建物の中に美術館があり、広いロビーのようなところから展示室に入る

バスを降りたところから撮った夕景、小さくシルエットになった富士山が見える