金木犀の今年の香り

 朝から晴れてほどよく気温が上がり、日中は半袖でも過ごせる。

 昨日の歌会の疲れか、珍しくお昼前から昼寝をした。その前に掃除機を全部の部屋にかけて、その疲れもあったのだろう。

 広縁に薄い布団を敷き、ごろんと横になり1時間半ほど眠った。目が覚めたのは1時過ぎ。よく眠ったなと思いつつ、まだ横になったままで庭を眺めると金木犀のオレンジ色の花が見える。まだ薄い色なので花ではなくつぼみかもしれない。こんなにつぼみがついているが、朝庭に出たときは蕾がぎっしりとついていることに気づかなかったし、香りもなかった。朝庭に出る時はメダカのえさやりや植木鉢の水やりなどのためで、庭をゆっくり見まわすこともしない。香りにも気づかなかったのだろうか。

 夕ぐれ、金木犀の木にいちばん近いわたしの部屋の雨戸を占めるために、掃き出し窓をあけると金木犀の香りがふわっときた。今年のはじめての香り。この木からの香りにはたくさんの思い出が重なっている。いちばん心に残っているのは、父母がいる時の朝雨戸を開けたときの金木犀だ。その時秋が来たと思った。なつかしいなつかしい香りである。

 今年は夏前からいろいろあって、いまも体調不良を抱えているが元気な時もあって、やりたいことはできるだけやるようにしている。わたしのなかで何かが変わっていくのに気づいていて、変わることを肯定している。好きなだけ好きなように変わりなさいと。