晩秋のおだやかな日曜日

 暖かな陽射しがそそぎ、日中は風もなく、おだやかな日曜日となった。

 4年前の11月のおなじ日のブログを開けると、老犬ももこがこの家にいて、陽射しがそそぐ広縁で背中を丸めて眠っている写真が載っていた。

 背中を庭のほうに向けて、顔や手足は居間のほう、わたしがいる方に向けて眠っている。やはり、わたしがいる部屋に顔を向けた方が安心して眠れるのだなと思い、ほろりとした。

 ももこがこの家にいたのは一年と5ヶ月あまり。あまりにも短くて、ももこがいなくなって4年あまりが過ぎても哀しみは消えない。今でもこの家にももこがいるし、老犬レオももちろんいると思って暮らしている。

 午後、墓参に行き、その足で少し離れたスーパーマーケットに買い物に行った以外はずっと家にいた。

 庭仕事もせずに、家でのんびり過ごすのはいいものだなと心から思った。

 たまっていた新聞を読み、日曜日の朝日新聞に掲載されている朝日歌壇の短歌をじっくりと読ませてもらった。どの歌もいい歌だが特にいいなあと思う歌が2首あり、うれしかった。読んで得をしたような気分でもある。

 疲れを感じると炬燵の横にごろんとなって休んだ。眠りはしなかったが何もしないで横になっているのも気持ちがいい。

 9月10月と精神状態が不安定でこのままどうにかなるのではないかと不安だったが、現在は落ち着いた状態が続いていて、楽になった。こういう状態がふつうなのだが、ひどいときがあったのでふつうがすばらしく思える。

 ただ、どこかいちども行ったことがないところ、誰もわたしを知る人がいないところに行ってみたいという気持ちは続いている。そんなに強い欲求ではなく、こころのなかの底流みたいなものか。

 

 

広縁の陽だまりに眠る老犬の写し絵ブログに見て涙せり

掃き出しの窓の外(と)は庭背に陽ざし受け老犬は背をまるめ眠る

 

色の濃き百日草を手向けたる父母の御墓ひときわはなやぐ