明治神宮歌会へ

 朝から晴れたが雲が多く、それほど気温が上がらなかった。
 今日は月に一回開かれる明治神宮歌会の日。慢性腎臓病の末期で治療&療養中の老犬ももこのことを考え、迷ったがでかけることにした。庭に面した広縁の掃き出し窓に簾をかけて日よけをし、遮光カーテンも一部に引いた。
 広縁に陽射しが入る時間は日よけをしても気温が上がると思うので、居間との境の障子を開けてももこが自由に移動できるようにした。ほぼ寝たきり状態のももこだが、まったく歩けないわけではない。横になった状態から立ち上がり、部屋から部屋へ移動することもある。
いつもより遅めに家を出て、いつもより早めに帰ることにした。講師の先生が毎月出す兼題は全国から応募があり、わたしも題詠を送っているがこちらの講評だけを聴講することにした。歌会の当日出される当座は歌を提出するが、先生の講評は欠席することにしたのである。
 兼題は「影」でわたしの歌が選外佳作に選ばれていた。
 
赤道の直下のクチン影のなく真昼は光がナイフの街なり

 今回の講師は松坂弘先生で、添削がなされ、歌が良くなっていた。
 今日の当座は「燕(つばめ、つばくら)」。
 あまり燕と縁のない生活を送ってきたというのが正直なところで、こんな歌を作ってみた。

 雨近し雲垂れこめる川原につがいの燕鋭く飛べり
 燕(つばくら)は空のハンター虫とらえる瞬間を見せることなし

 多摩川の河原で柴犬レオと散歩をしていた頃、夕方の暗くなりかかったグラウンドに燕が2羽交錯するように飛び交っていた。地面近い低空飛行だった。多分餌となる虫を探していたのにちがいない。
 さきほどの兼題の応募作品から選ばれた歌の講評を聞いた後、歌会を後にし、家をめざした。ももこの食事に混ぜたいサプリメントを買うため途中下車を一回したが店は休みだった。家を出た後4時間弱で家に戻ることができた。
 ももこは陽射しが入る広縁から居間に移動して、横になっていた。家の中は思ったより涼しく、温度計は24℃をさしている。わたしが部屋に入るとももこが目を開けてこちらを見た。お母さん帰ってきたのねと安心したような顔。ももこに話しかけ、首筋を撫でる間、目を開けていた。
 洗濯物を取り入れたり、庭に出て水やりをしたり、動き回るわたしをももこは感じながらまた眠りに入ったようだ。

帰ってきたときのももこ
少し身体の位置が変わっているが今もこの姿勢で眠っている。
 


駐車場から花壇の方向を眺めた写真

夾竹桃が咲き始めた
この花が咲くと夏が来たといつも思う