樟、柘榴、木槿の剪定をする

 風もなくおだやかな晴天の一日だった。

 こういう日は庭に出たくなり、植木屋さんに自分でやるから伐らなくていいと言った何本かの庭木を剪定した。

 ショックだったのはわたしが勝手にレモンの木と思い込んでいた木を植木屋さんに樟(くすのき)と指摘されたことだ。枝を切ると香りがしてこれをレモンの香りと思い込んだが、樟にも香りがある。よく匂いを嗅いでみると薬のような匂いがあり、樟からとれる樟脳といわれる香りに似ていることに気づいた。

 いつかレモンがなると夢見ていた木をかなり短く切り詰めた。花を咲かせ結実させるために枝を伸ばそうと剪定を控えていたのだが、高木になる樟をわかったからには切り詰めなけれなと思った。

 他には柘榴の木、木槿、長い棘を持つ柚子の木、名前のわからない常緑樹の剪定をした。切った枝は柚子以外は短く切ってゴミ袋におさめた。

 遅めの昼食を食べてから、買い物に出かけた。いつも行く最寄り駅とは別の最寄駅にある商店街で、急な坂をのぼって行く。ショート丈の暖かそうなブルゾンを買った。さらに商店街の真ん中あたりにあるパン屋さんで朝食のパンを買った。

 買ったものを持って駅前まで行き、踏切を渡った浄真寺と言う寺院の山門をくぐり境内に入った。大銀杏の黄葉がすばらしい。この寺には本堂と対する位置に三つのお堂が建てられ、それぞれ三体の仏像が安置されている。三体づつ九体の仏像が安置され、これがここの地域の名前の由来となっている。

 阿弥陀如来像に手を合わせて拝みながら、境内を散策し、ぐるっとまわって山門から出た。

 駅前に開店した新しいパン屋さんは店の外まで行列ができている。一度ここで買ったことはあるが、さきほど寄ったパン屋さんのほうが種類は少ないが好みのパンがあるのでなるべくあちらで買うようにしている。