対岸の高層ビルを眺めに行く

 朝方は激しい雨。10時頃には止み、きらきらと陽射しが出た。大泣きした後の大笑いみたいな天気。

 陽射しが出た時間に来客があった。日時は前もって決めていたので、大雨に驚き、よろしければ車でどうぞとメールを打った。だが雨が上がったので杞憂だった。

 お昼過ぎまである一つのテーマを話し合ったが最終的には合意にいたらなかった。お互いの時間を使ってしまった。わが家に足を運んでくれた人にはほんとうに申し訳なかった。最後に軽鴨のひなの成長のありさまをスライドショーで見てもらった。わたしの趣味につきあってくれてありがとう。

 考える時間をもらって今日はわかれた。

 先週の金曜日に紛失した携帯でが碑文谷警察の遺失物係に電話したら、届けられていることがわかった。明日、警察署まで取りに行くことにした。

 先週の土曜日にスマートフォンへ機種交換をしたが、9年近く愛用した携帯電話には愛着がある。アドレスのデータや写真のデータも使いたいし。待ち受け画面は老犬ももこの写真を使っている。ももこをまたわたしのもとに連れ戻したい。

 思うことがこころの中に渦巻いて、歩きたくなった。日中と夜になってから、二度散歩をした。

 わたしの大好きな対岸を眺望できるところへ。昼間もいいが夜になるとがぜんすばらしくなる。対岸の高層ビル群に明かりがともり、さまざまな思いをかきたてる。

 父母がいる頃は高層ビルはまったくなく、母が死んだその年に4棟ほどの高層ビルが突如、林立した。柴犬レオが亡くなった後、なんども高層ビル群の夜景を見にここに通った。その記憶があるので、心が苦しい時、迷っている時、この場所に来ることにしている。

 

稲妻に手もと狂ひて米粒を厨の床に散らしてしまへり

 

稲妻の激しき夜を大丈夫?と気にかけくるる人かの日ゐき