朝から晴れて気持ちのいい青空がひろがる。風が強いのが玉に瑕の天気。
庭に出て、駐車場の後ろに植えてあるオオムラサキツツジを取っ手の長い植木鋏を使って刈り込んだ。切った枝が風に飛ばされるので、すぐゴミ袋に入れた。2本ほど刈り込んだところで、ひと休みした。
家に戻ると11時半になっていた。塩漬けにした豚バラ肉が冷蔵庫に入っているのを思い出した。塩漬けにしてから1週間たっているので今朝、スモークしてベーコンを作る予定だった。
昼食の時間に重なるが、大きな中華鍋風のフライパンを出し、桜チップとザラメを入れて網を載せ、網に塩漬け肉を載せて火にかけた。ときどき少量の水を入れ、弱火で2時間かけて蒸し焼き状態にする。
出来上がったベーコンは薄くスライスしてゆでたブロッコリーとともに、弟におすそわけした。
午後になり洗濯ものを取り入れていると玄関のチャイムが鳴った。出ると顔見知りの奥さんだった。花壇の花を見に来たとのこと。初めて名乗った。いままで二回、家の前の道路で立ち話をしたり、梅干しを交換したりしたがお互いに名前は知らなかった。いや、先方は表札を見て知っていたかもしれないが。
家に上がってもらった。マスクをしているのでわたしもマスクをした。連休前も家に上がってもらった人がいて、その時も互いにマスクをしていたことを思い出した。なんな変な生活になっちゃったな。
お茶と茶菓子を出した。居間に飾ってある絵に興味を示したので、いくつかの水彩画を見せた。葉書大の用紙に描いた絵も見てもらった。きれいな落ち葉を二枚の葉書に続けて描いたものに見て、いいわねと。ほしいから買いたいと言われた。数枚ならあげると言ったが買いたいというので(しかたなく)、お金を受け取った。7枚の絵を売ってしまった。落ち葉の絵は老犬ももこがいた秋に描いたもので思い出がある絵だが、一番気に入ったようで、手放してしまった。同じような落ち葉の絵は何枚も描けるが、ももこがいた時かいた絵はこの絵だけ。でも気に入ってもらえるなら。
ももこがいた時描いた絵は他に何枚もある。ももこがいた頃描いた絵でほんとうにわたしが気に入っている絵は絶対に手放さないだろう。何枚かそういう気に入った絵があって、その絵を見るたびにももことの生活を思い出す。水を入れた器を床に置いて絵を描くので、ももこのことをいつも気にしながら絵を描いていた。いつも早めに仕上げていた。あまり描きこんだ絵はないが、そのことがももことの生活を物語っている。
家に上がってもらった奥さんは関西のほうからこちらにやってきたので、関西のことばがやわらかく響く。ことばの抑揚が関東とは違っていて、妙に魅力を感じる。
押花をしているというので帰りに矢車草を数本切ってさしあげた。