朝方は雨が降っていたがすぐ止み、午前中は陽射しが出た。
お昼過ぎからは雲が出て、夕方は小雨が降り始めた。
退職した弟は週に五日ほど家にいるようになり、二世代住宅の二階で飼っている犬の相手をしている。
今日は朝の散歩をした後、夕方また散歩に連れ出そうとするが犬が嫌がって吠えたてる。なんとか時間をかけてなだめて犬を外に出したが門扉のところでもめている声が聞こえる。嫌がって道を歩かないのだろう。また玄関に戻ってきた。
犬だって散歩に行きたくないときがある。無理に連れて行くのはかわいそうだ。
お昼前はまだ晴れ間があったので庭に出て、赤い若葉が芽吹く楓の木の枝を切った。枝が左右や上に伸び、葉っぱが繁り始めて、下に植えてあるツツジに陽が当らなくなったので、枝を梳くことにした。かなり大胆に切ったのでツツジに陽が当るようになった。
昼食を食べ終えたころから雲が出て、空が暗くなった。掘り炬燵のヒーターを入れて、パソコンに向かい、短歌をいろいろ考えた。いつもはノートに向かって考えるが、なりゆきでパソコンのワードを開いて打ち込みながら考えた。
夕方近くなり、だんだん煮詰まってきたので、近くの菩提寺に墓参りに行くことにした。空模様があやしいので折り畳傘を持って出た。もちろん、マスクをして。
雨が降りそうな夕方にしては町に人が多かった。家族連れと自転車に乗る人、走る人が目立つ。川沿いを歩くと軽鴨を一羽見かけた。もしかしてルパン?まわりを見渡すとつがいの相手はいないので、ルパンだ。
ルパンは他の軽鴨に比べて身体が小さめで、多分若いのだろうと思った。
ルパンと別れて、お寺に向かう。高い屏風のように仕立てたベニバナトキワマンサクが満開だ。柴犬レオがいた2012年のこの時期にお墓参りに来た時を思い出す。あの時もベニバナトキワマンサクのあざやかなマゼンタ色の花に息をのんだ。
墓地ではゴミ籠からゴミを回収しているお寺の人がマスクをつけていた。その人が去ると墓地はわたしひとり。うぐいすの良く透る声が届く。昨日聴いたうぐいすと同じだと思う。この庭を縄張りとしているにちがいない。
お寺の庭に4人家族が入ってきた。墓地には行かず、散歩の途中にちょっとのぞいてみたのだろう。
帰りも川沿いを歩くと軽鴨ルパンがいた。つがいの片割れに追いかけられていた。たぶん、ルパンがつがいに近づこうとしたのだろう。逃げたルパンはすぐまたつがいのほうに泳いで行った。つがいから10mほどのところまでルパンが来ると、片割れ(多分雄)がルパンのほうに泳いだ。ルパンはまた逃げた。
こうして追い払われるのもルパンにとっては楽しいのかもしれない。全く無視されるよりはいいから。
ベニカナメの葉のあたりより鶯の張りのある声墓地をたたく
寺の庭ベニバナトキワマンサクが壁画のごとく咲盛りをり