雪の降る日、開花宣言

 朝から冷たい雨が降る。

 掘り炬燵に入って、1週間分のたまった新聞を読んだ。

 藤島秀憲さんの『ミステリー』という歌集も読んだ。

 午後になり、掃き出し窓から庭を眺めると霙が降っていた。重たげな白いかたまりが庭をめがけて降ってくる。

 夕方になると霙から雪に変わった。ぼたぼたとして雪だ。今年はじめて雪らしい雪を見たような気がする。 

 雪の中、近くの商店に買い物にでかけた。家にいると(わたしが)思っている柴犬レオと老犬ももこを誘って。

 犬たちは死んでしまったがわたしの家族であることは変わりないと思うようになった。関係性はそのままいつまでも変わらないと気づいた。

 こころのなかで話しかければ応えてくれる犬たちに感謝している。

 買い物に出る時、郵便ポストに葉書があった。明治神宮献詠会からのもので、当分の間、月次歌会を休止すると知らせてきた.再会時にはまた葉書で知らせるようだ。

 この寒い日に、東京の桜は開花宣言となった。昭和28年から始めた観測史上いちばん早い開花とのこと。東京都心は午後3時時点で1,9℃の低さ。花開いた桜のふるえが感じられる。

 

霙ふる土曜日の午後わが犬と多摩の河原に遊びし日思ふ

川の流れの早きに乗りて遊びたり柴犬レオは泳ぐのが好き

 

白じろと弥生半ばに雪が降り早くも開く桃の花冷やす

 

夕方に空気が冷えれば雪となる東京弥生開花宣言

如月の暖かさゆへ咲き急ぐ桜の花よ弥生十四日

観測の史上いちばんの速さなり弥生十四日桜がひらく

 

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霙に濡れる桃の花

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乙女椿も寒そう

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わたしの部屋から見た花壇