すっきりしない曇り空がひろがる。
昨日降った雪はほとんど解けたが、花壇ではヒヤシンスやチューリップ、忘れな草などの草花が雪の重みに倒れていた。
お昼近く、熊本県から季刊の短歌誌が届いた。会員になっているので年に4回、8首の短歌を送っている。
今日送ってきたのは2020年4月号の短歌誌で、今年1月に送った短歌が掲載されている。
「朝の街」という題で、駅前のカフェから眺めた朝の街を詠った短歌を中心にまとめている。昨年末、交通事故を起こし、年が明けて病院で診察を受ける被害者に付き添うため、朝早くでかけたことがあった。
時間が少しあったのでカフェに入って、朝の街の様子を眺めながらいろいろな思いが交錯した。短歌にはわたしがどんな気持ちで街を眺めていたかは詠われていないが、あの時眺めた街が短歌となって残っている。
美しく石敷き詰めたる広場にて鳩らはつひばむ都会のかけらを
自分の歌を読みながら、あのときの重苦しさの交じる複雑な気持ちを思い出す。生きていることは楽ではないとどこかで思っていた。
時は移り今は3月末。あの時は想像もしなかった新型コロナウィルスの感染拡大が起こり、不安感が増してくる。
次の短歌誌に送る8首は4月末締め切り。短歌だけでなく、巻頭に掲載する「詩歌の風」というコラムのような、エッセイのようなものも頼まれた。
詩歌の風のほうは何について書くか、おおよそは決めることができた。短歌はいつもできるだけ最新の短歌を送ることにしている。これからのわたしの暮らしから生まれるものだ。どんな歌が生まれるだろうか。
志村けんさんが亡くなった。エクモで治療していることを知ったとき、かなりの重症と思ったがなんとか生還してほしいと思っていた。発症から重症化して命に危険を及ぼす状態になるまでの速さがこわい。
親しみたるあの駅舎やデパートが外出自粛の街に消えゆく